「はい、確かに合ってます」
画面上の動きと手の動きをシンクロさせて確認する。
「これで、ゴナツ神の魔法が使えるの?」
「こういう純粋魔法も教わるんです。本来、借威魔法は借威対象から許可された魔法しか使えませんが、純粋魔法でその許可を一時的に得て、普段許可されてない魔法を使うことができるんです」
「そんなことできるんだ」
「もう少し正確に言うと、この中に登録されている純粋魔法のほとんどが、その同系なんです」
「なるほど……」
元々入っていたサンプルを使っただけだったのが、その中身を少し理解する。
「それで、これがゴナツ様を借威対象にした魔法なんです」
モニター上でぐるりとカーソルを回す。
「これなら僕も解りますから、ある程度変えられるんです。だから……たとえば、簡単な魔法であれば、朝に純粋魔法の方を唱えて、その日の間は、一定回数特定の借威魔法を使えるってできるんです」
「え……それってすごくない?」
「すごくはないですけど……これまでより、ずっと簡略化できますよね」
「そう……だって、そうすれば唱えるだけで魔法が使える、今までの面倒なシークェンスは1回最初にしちゃえばいいだけだもの」
「もっとも、バリエーションについては当分は我慢しなければならないですけど。この手の魔法を二重三重に掛けると前の効力を残すのが難しいので」
「1日1魔法、ってことね」
「そうなります。では、魔法は何にします?」
「え?」
「借威魔法です。どういった魔法を使えるようにしますか」
「……」
魔法……。
今まではその場その場で選べたし、別に実用的でなくても良かった。
でも、今回はひとつしか選べないし、できれば祭りの準備に使えるようなものにしたい。
とはいえ、この装甲多脚にできることだったら意味がないし……機械にはできないこと……人にはできないこと……魔法使いにしかできないことって言ったら……。
「……回復魔法はどう?」
「それはいい考えです! 準備の間にも擦り傷とか作ってらした方が多かったですし」
「……」
……シーバリウに心底感動されてそう言われると、なんだか偽善的な気持ちになるのはなぜだろう……。
「う、うん、じゃあお願いできるかな」
「はい!」
もう既に手慣れた手つきで、シーバリウは画面を操作し、魔法を構築していった。
画面上の動きと手の動きをシンクロさせて確認する。
「これで、ゴナツ神の魔法が使えるの?」
「こういう純粋魔法も教わるんです。本来、借威魔法は借威対象から許可された魔法しか使えませんが、純粋魔法でその許可を一時的に得て、普段許可されてない魔法を使うことができるんです」
「そんなことできるんだ」
「もう少し正確に言うと、この中に登録されている純粋魔法のほとんどが、その同系なんです」
「なるほど……」
元々入っていたサンプルを使っただけだったのが、その中身を少し理解する。
「それで、これがゴナツ様を借威対象にした魔法なんです」
モニター上でぐるりとカーソルを回す。
「これなら僕も解りますから、ある程度変えられるんです。だから……たとえば、簡単な魔法であれば、朝に純粋魔法の方を唱えて、その日の間は、一定回数特定の借威魔法を使えるってできるんです」
「え……それってすごくない?」
「すごくはないですけど……これまでより、ずっと簡略化できますよね」
「そう……だって、そうすれば唱えるだけで魔法が使える、今までの面倒なシークェンスは1回最初にしちゃえばいいだけだもの」
「もっとも、バリエーションについては当分は我慢しなければならないですけど。この手の魔法を二重三重に掛けると前の効力を残すのが難しいので」
「1日1魔法、ってことね」
「そうなります。では、魔法は何にします?」
「え?」
「借威魔法です。どういった魔法を使えるようにしますか」
「……」
魔法……。
今まではその場その場で選べたし、別に実用的でなくても良かった。
でも、今回はひとつしか選べないし、できれば祭りの準備に使えるようなものにしたい。
とはいえ、この装甲多脚にできることだったら意味がないし……機械にはできないこと……人にはできないこと……魔法使いにしかできないことって言ったら……。
「……回復魔法はどう?」
「それはいい考えです! 準備の間にも擦り傷とか作ってらした方が多かったですし」
「……」
……シーバリウに心底感動されてそう言われると、なんだか偽善的な気持ちになるのはなぜだろう……。
「う、うん、じゃあお願いできるかな」
「はい!」
もう既に手慣れた手つきで、シーバリウは画面を操作し、魔法を構築していった。