シーバリウは、ふと、気配を感じて、目を開いた。
すぐ側に、本当にすぐ側に、うめの顔。
「え……うめさん?」
「え”、あ……」
閉じていたうめの両目がぱっちりと開き、二人は鼻が触れるほどの距離で、見つめ合う。
とたんに、うめの顔が真っ赤になる。
「あ、う、あ……」
そのまま何事もなかったかのように顔を離していき、真っ赤な顔のまま、さらりと
「おはよう」
と言い切った。
「……おはようございます」
丁寧にシーバリウもお辞儀を返す。
それから、まわりを見る。自分の部屋、自分のベッド、それだけを見ればただ目が覚めただけ……と思う。
でも。
外は闇。自分は外出着。朝、目が覚めたという状況ではないことは確か。……外出着!
「そうだ、林田さんの件はどうなりました!? ふみかちゃんは!?」
「林田さんはジャージさんが捕まえて、警察が連れてった。ふみかちゃんは病院」
「そうでしたか……良かったです」
と、シーバリウは考え、訊きたい事がたくさんあることに気付く。
「うめさん、体調は大丈夫ですか?」
「それはもう大丈夫。王子の魔法で完全回復したみたい」
「それは良かったです。本当は気を失う前に何とかしたかったのですが、距離が離れていて状況が掴めなかったので……本当に申し訳ありません」
「何言ってるの、王子が魔法掛けてくれたから殴られても怪我しなかったんだし、大感謝なんだから」
「はぁ……それと、お祭りの方は……!」
シーバリウはきょろきょろと部屋の中を見回す。
「どうしたの?」
「今日は何日です!?」
「あー……大丈夫だって、まだあれから半日しか経ってないから。お祭りは明日。おみこしの準備は私達の方でしたから安心して」
「そうでしたか、申し訳ありません」
「……もー、謝ってばっか!」
溜息をついて、少し落ち着いたのを確認してから、ベッドに近づいて、王子の手を取る。
「みんな、王子に感謝してる。もちろん私も」
「……」
「倒れたのって、魔法力使い切ったからなんでしょ? そんだけがんばったんだから、少し休んだ方がいいよ。ね」
にっこり笑って、握る手を振った。
すぐ側に、本当にすぐ側に、うめの顔。
「え……うめさん?」
「え”、あ……」
閉じていたうめの両目がぱっちりと開き、二人は鼻が触れるほどの距離で、見つめ合う。
とたんに、うめの顔が真っ赤になる。
「あ、う、あ……」
そのまま何事もなかったかのように顔を離していき、真っ赤な顔のまま、さらりと
「おはよう」
と言い切った。
「……おはようございます」
丁寧にシーバリウもお辞儀を返す。
それから、まわりを見る。自分の部屋、自分のベッド、それだけを見ればただ目が覚めただけ……と思う。
でも。
外は闇。自分は外出着。朝、目が覚めたという状況ではないことは確か。……外出着!
「そうだ、林田さんの件はどうなりました!? ふみかちゃんは!?」
「林田さんはジャージさんが捕まえて、警察が連れてった。ふみかちゃんは病院」
「そうでしたか……良かったです」
と、シーバリウは考え、訊きたい事がたくさんあることに気付く。
「うめさん、体調は大丈夫ですか?」
「それはもう大丈夫。王子の魔法で完全回復したみたい」
「それは良かったです。本当は気を失う前に何とかしたかったのですが、距離が離れていて状況が掴めなかったので……本当に申し訳ありません」
「何言ってるの、王子が魔法掛けてくれたから殴られても怪我しなかったんだし、大感謝なんだから」
「はぁ……それと、お祭りの方は……!」
シーバリウはきょろきょろと部屋の中を見回す。
「どうしたの?」
「今日は何日です!?」
「あー……大丈夫だって、まだあれから半日しか経ってないから。お祭りは明日。おみこしの準備は私達の方でしたから安心して」
「そうでしたか、申し訳ありません」
「……もー、謝ってばっか!」
溜息をついて、少し落ち着いたのを確認してから、ベッドに近づいて、王子の手を取る。
「みんな、王子に感謝してる。もちろん私も」
「……」
「倒れたのって、魔法力使い切ったからなんでしょ? そんだけがんばったんだから、少し休んだ方がいいよ。ね」
にっこり笑って、握る手を振った。