シーバリウは、唇を噛み締めた。
「紫恋さん」
シーバリウは紫恋を呼び止める。広大な宙の中で、黒い髪がはためく。
「? 何?」
「……十分に注意を払ってください。ここには、未知の機械や兵器が多くある、ということです」
「確かに」
紫恋も唾を飲む。力場のネットでさえも、先日野球場に採用された、というニュースを見たばかりだった。どんなものなのか、見た目ではわからない。
「でも」
と、紫恋ははっきり言った。
「予測不可能なことに不安になるのも分かるけど、でもこういうのも面白くない?」
「……」
シーバリウは溜息をつきつつも、苦笑いで返した。
「ですね」
「二人とも!!」
みねが声を掛ける。
「応援が3分後に来ます、それまでの間、犯人を足止めする必要があります。私が先に回り込みますから、皆さんは逃がさないように牽制してください!」
と言うと、みねは体を傾け、背に取り付けた4機のエアレールを使い加速する。
「は、速!」
「紫恋さん!」
シーバリウは簡易の杖で大きく揺れながらも飛んでいき、それを追って紫恋も翼を大きく羽ばたかせる。
だが、みねの速さは尋常ではなかった。
「!?」
「待ちなさい!!」
宙で体を回転させ、逆噴射で制動を掛ける。犯人に正対する形となり、下に落ちていく犯人を追う。
その犯人は、空中を升目状に隔てていた力場の壁を慣れた動きで辿り、高速かつ安全に下へと降りていった。
「フリーズ!! 3秒後に強制停止を掛けます!」
みねの右股から銃身がせり出し、狙いを付ける。それを見て犯人は方向を変えるが、逃げるのはやめなかった。
「強制停止を執行します!」
空気を切り裂く音と共に、リングガンが無数の弾丸を放つ。それは犯人の近くで弾け、蜘蛛の巣のようにトリモチを拡散させた。
だが、その網にも掛からず、男は逃げていく。トリモチは力場の壁に阻まれていた。
「くそーっ!!」
「……あの婦警さん、もしかして結構ダメ……?」
「紫恋さん」
シーバリウは紫恋を呼び止める。広大な宙の中で、黒い髪がはためく。
「? 何?」
「……十分に注意を払ってください。ここには、未知の機械や兵器が多くある、ということです」
「確かに」
紫恋も唾を飲む。力場のネットでさえも、先日野球場に採用された、というニュースを見たばかりだった。どんなものなのか、見た目ではわからない。
「でも」
と、紫恋ははっきり言った。
「予測不可能なことに不安になるのも分かるけど、でもこういうのも面白くない?」
「……」
シーバリウは溜息をつきつつも、苦笑いで返した。
「ですね」
「二人とも!!」
みねが声を掛ける。
「応援が3分後に来ます、それまでの間、犯人を足止めする必要があります。私が先に回り込みますから、皆さんは逃がさないように牽制してください!」
と言うと、みねは体を傾け、背に取り付けた4機のエアレールを使い加速する。
「は、速!」
「紫恋さん!」
シーバリウは簡易の杖で大きく揺れながらも飛んでいき、それを追って紫恋も翼を大きく羽ばたかせる。
だが、みねの速さは尋常ではなかった。
「!?」
「待ちなさい!!」
宙で体を回転させ、逆噴射で制動を掛ける。犯人に正対する形となり、下に落ちていく犯人を追う。
その犯人は、空中を升目状に隔てていた力場の壁を慣れた動きで辿り、高速かつ安全に下へと降りていった。
「フリーズ!! 3秒後に強制停止を掛けます!」
みねの右股から銃身がせり出し、狙いを付ける。それを見て犯人は方向を変えるが、逃げるのはやめなかった。
「強制停止を執行します!」
空気を切り裂く音と共に、リングガンが無数の弾丸を放つ。それは犯人の近くで弾け、蜘蛛の巣のようにトリモチを拡散させた。
だが、その網にも掛からず、男は逃げていく。トリモチは力場の壁に阻まれていた。
「くそーっ!!」
「……あの婦警さん、もしかして結構ダメ……?」