「これって英語だ……」
「休憩所」の奥、壁に何か張られているのを見つけた紫恋とジャージ。
『えーと、この線に沿ってなぞれば…………地球に接続する、って書いてある』
「英語読めるんですか?」
『一応ね。でもワースの自動翻訳機能があるから』
「そんな機能もあるんですか」
『でもワースの指じゃ無理だろうから、お願い』
「あ、はい」
紫恋は壁面、溝に沿って指をなぜる。その石と下にある石が消える。
「……!」
玉の所でゆっくりと魔法力を回復しているシーバリウにも、その「懐かしい風」の匂いが届く。
「外」には、野原と青空が広がっていた。
「すっごい……」
見上げれば青空。左右を見渡すと、高台から見下ろした先には砂浜、高台の先には白い小屋。
『そこにトイレとかあるみたいだからとりあえずそこで休憩しよ。あ、先に入っちゃ駄目だからね、誰がいるかも分からないんだから』
「う”、あの緑色のとかがいるかもしれないんだ」
『いるのが人だからって、普通の人とは限らないし……少なくとも、ここは私達のいた時代じゃないみたいだから』
「え?」
ジャージは空を見上げる。
『衛星がひとつもないのよ』
「人工衛星がない時代……」
『過去か未来か……さすがにワースに積んでるガイガーカウンターで年代測定なんて無理だし。夜なら正確な日時が分かるんだけど』
「そうなんですか……100年後とかでもう人類が滅んでいたとかだとシュールかも」
『笑えない……』
「皆さん?」
『あ、シーバリウも来て。中で相談しよ』
「はい」
石の間を抜けて、シーバリウは後ろを向く。崖の端に、元いた所にあったものと同じ石が積まれ、それが扉を成していた。
『どうしたの?』
「戻れるかどうか確認しているんです。もう一度同じ手順で開くと思いますけど、時間がずれると困りますね」
『あ、そういえば……』
異世界は、気にしなければならないことが多すぎた。
「休憩所」の奥、壁に何か張られているのを見つけた紫恋とジャージ。
『えーと、この線に沿ってなぞれば…………地球に接続する、って書いてある』
「英語読めるんですか?」
『一応ね。でもワースの自動翻訳機能があるから』
「そんな機能もあるんですか」
『でもワースの指じゃ無理だろうから、お願い』
「あ、はい」
紫恋は壁面、溝に沿って指をなぜる。その石と下にある石が消える。
「……!」
玉の所でゆっくりと魔法力を回復しているシーバリウにも、その「懐かしい風」の匂いが届く。
「外」には、野原と青空が広がっていた。
「すっごい……」
見上げれば青空。左右を見渡すと、高台から見下ろした先には砂浜、高台の先には白い小屋。
『そこにトイレとかあるみたいだからとりあえずそこで休憩しよ。あ、先に入っちゃ駄目だからね、誰がいるかも分からないんだから』
「う”、あの緑色のとかがいるかもしれないんだ」
『いるのが人だからって、普通の人とは限らないし……少なくとも、ここは私達のいた時代じゃないみたいだから』
「え?」
ジャージは空を見上げる。
『衛星がひとつもないのよ』
「人工衛星がない時代……」
『過去か未来か……さすがにワースに積んでるガイガーカウンターで年代測定なんて無理だし。夜なら正確な日時が分かるんだけど』
「そうなんですか……100年後とかでもう人類が滅んでいたとかだとシュールかも」
『笑えない……』
「皆さん?」
『あ、シーバリウも来て。中で相談しよ』
「はい」
石の間を抜けて、シーバリウは後ろを向く。崖の端に、元いた所にあったものと同じ石が積まれ、それが扉を成していた。
『どうしたの?』
「戻れるかどうか確認しているんです。もう一度同じ手順で開くと思いますけど、時間がずれると困りますね」
『あ、そういえば……』
異世界は、気にしなければならないことが多すぎた。