地面を跳ねる少年。雅樹の背後へと回り突っ込む。
雅樹は振り向きざま刀を振るう。その刃は蒼く光り、刀本来の長さを超えて届く。
「ふん」
少年はその下をくぐり、懐へ入る。
「っ」
雅樹の左手に火が点る。
その兆候を少年は見逃さない。
だから。
「ぶっ!?」
逆の手から放たれた右フックをまともに食らい、少年がよろめく。手放した刀が床に落ちると同時に左手の赤炎が少年の腹に当てられ、爆発し壁近くまで吹き飛ばされる。
「……」
宙に舞う間に体制を整え足から着地する。
「いっつー」
雅樹の右手は赤く腫れているが、その傷も目に見えて回復していく。
「……APを殴るなんて、おかしいんじゃない?」
「ちゃんと効いてただろ?」
「……」
「種明かしするとな、おまえ達軽いんだよ。パワーもスピードも確かに高いんだけどなー、でもそれに見合う体重っつーと戦車くらいはいるか?」
「それ、説明になってないよ。今のパンチは人間の力を超えてた」
「鍛えてるからな」
「……」
嘘だ。
同じように泉の洗礼を受けている舞は、このような力は出していない。雅樹には特別な力がある。不死も雅樹にしかない能力。雅樹は、泉の洗礼を受けた人間の中でも、特別なのかもしれない。
かといって。
「……」
APを超える人間なんて、いるはずがない。
雅樹は振り向きざま刀を振るう。その刃は蒼く光り、刀本来の長さを超えて届く。
「ふん」
少年はその下をくぐり、懐へ入る。
「っ」
雅樹の左手に火が点る。
その兆候を少年は見逃さない。
だから。
「ぶっ!?」
逆の手から放たれた右フックをまともに食らい、少年がよろめく。手放した刀が床に落ちると同時に左手の赤炎が少年の腹に当てられ、爆発し壁近くまで吹き飛ばされる。
「……」
宙に舞う間に体制を整え足から着地する。
「いっつー」
雅樹の右手は赤く腫れているが、その傷も目に見えて回復していく。
「……APを殴るなんて、おかしいんじゃない?」
「ちゃんと効いてただろ?」
「……」
「種明かしするとな、おまえ達軽いんだよ。パワーもスピードも確かに高いんだけどなー、でもそれに見合う体重っつーと戦車くらいはいるか?」
「それ、説明になってないよ。今のパンチは人間の力を超えてた」
「鍛えてるからな」
「……」
嘘だ。
同じように泉の洗礼を受けている舞は、このような力は出していない。雅樹には特別な力がある。不死も雅樹にしかない能力。雅樹は、泉の洗礼を受けた人間の中でも、特別なのかもしれない。
かといって。
「……」
APを超える人間なんて、いるはずがない。