「なんで勝てないのかな……」
1階のコンビニでパンを選ぶ少年、その脇でリシュネが愚痴る。
「勝つことは簡単だよ、距離を取って遠距離狙撃、もしくは全方位攻撃」
「最近、それも効かないんじゃないかって思うんだけど」
「まさか」
「少なくとも遠距離狙撃はできないと思う。穂香に発見される」
「……強化した身体を扱い慣れてないだけだよ。全力で動けるようになれば……」
「もっと根本的に違うと思う」
「何が?」
聞きたくない。
なのに、尋いていた。
「泉の力は、私達とは異種、そして、同等」
「まさか」
セリフを読むようにすぐさま答えた。
「僕らはAPだ。あいつらは人間だ。その差は大きい」
「私達は人間じゃないの?」
「先生だって言ってたじゃないか。俺達APは遺伝子からヒトとは異なっているんだから」
「それはあなたが拠り所としているだけで、本質的に必要な事ではない、と言ってるの」
「リシュネ」
少年が睨む。
「……つまらないことを言ってごめんなさい。帰りましょ」
レジでお金を払ってから、コンビニを出る。
「あの海の底に沈んでた死体、リシュネも見ただろ?」
「ミナクートのこと? あれと比べたら、それこそAPはヒト以外の何者でもないもの。私達は遠く及ばないんだから」
「……」
「認めたくないのは分かるけど。でも、私達と同等レベルだとしても、遥か上とは思ってない。だから」
リシュネはこぶしを握る。
「がんばって、舞を超える」
1階のコンビニでパンを選ぶ少年、その脇でリシュネが愚痴る。
「勝つことは簡単だよ、距離を取って遠距離狙撃、もしくは全方位攻撃」
「最近、それも効かないんじゃないかって思うんだけど」
「まさか」
「少なくとも遠距離狙撃はできないと思う。穂香に発見される」
「……強化した身体を扱い慣れてないだけだよ。全力で動けるようになれば……」
「もっと根本的に違うと思う」
「何が?」
聞きたくない。
なのに、尋いていた。
「泉の力は、私達とは異種、そして、同等」
「まさか」
セリフを読むようにすぐさま答えた。
「僕らはAPだ。あいつらは人間だ。その差は大きい」
「私達は人間じゃないの?」
「先生だって言ってたじゃないか。俺達APは遺伝子からヒトとは異なっているんだから」
「それはあなたが拠り所としているだけで、本質的に必要な事ではない、と言ってるの」
「リシュネ」
少年が睨む。
「……つまらないことを言ってごめんなさい。帰りましょ」
レジでお金を払ってから、コンビニを出る。
「あの海の底に沈んでた死体、リシュネも見ただろ?」
「ミナクートのこと? あれと比べたら、それこそAPはヒト以外の何者でもないもの。私達は遠く及ばないんだから」
「……」
「認めたくないのは分かるけど。でも、私達と同等レベルだとしても、遥か上とは思ってない。だから」
リシュネはこぶしを握る。
「がんばって、舞を超える」