「って、俊雄君なんで帰らないの!」
ファインダウト社に戻ってからも俊雄は帰らず、舞達と同じ、ホテルのようなフロアに付いてきていた。
「今日は泊まるそうだ」
「本当に今日だけ?」
洋一は目を避ける。
「……俊雄君、明日には帰りなさいよ!!」
舞は乱暴にドアを閉める。
その隣の隣の隣の部屋を開け、俊雄と洋一、智子が入る。
「何かあったら彼女に訊いてみるといいよ、なんでも教えてくれるから」
「えー!? 鳳夫妻の事もあるのに、また仕事を増やすんですかぁ!?」
「冗談だよ。彼女はAPが専門だからな」
「あの……」
俊雄は、訊く。
「本当になりたいんなら、明日、ちゃんと検査するから」
「はい!」
「あれだけのものを見ても、意志は揺るがなかったんだな」
洋一はにっこりと笑う。
「……僕はやっぱり、舞さんはここにいるべきじゃないと思ってます。でも」
なぜか、顔を赤らめる。
「戦ってる舞さんは、かっこいいです。それに、みなさんも、かっこよかった」
「あんたねぇ」
「あ、いえ、そういうのだけじゃないんですけど……でも、僕は」
一歩進んで。
「舞さんと同じ場所に立ちたい。舞さんと一緒にいたい。その気持ちは変わりません」
そう、はっきりと言い切った。
「ひとつだけ」
洋一は近付き、俊雄を壁に押し付けるようにして、訊く。
「君は、女の子と付き合うとしたら、万人から好かれている女性と、万人から嫌われている女性、どっちがいい?」
「もちろん、万人から好かれている人の方がいいと思います」
「俺は、万人から嫌われている方がいい」
「え……」
俊雄は、言葉に詰まる。
「そして、結白舞は、万人から嫌われるかもしれない女だ。我々が敵と戦うということは、そうなる可能性を持つことだ」
「……」
洋一は肩を叩く。
「でも遥は、俺が愛していればそれでいいと言ってくれる。話はそれだけだ」
洋一が肩から手を離し、智子と何かを言い合いながら出て行くのを、その言葉を反芻し、理解できなくても繰り返し続けながら、ただ見ていた。
ファインダウト社に戻ってからも俊雄は帰らず、舞達と同じ、ホテルのようなフロアに付いてきていた。
「今日は泊まるそうだ」
「本当に今日だけ?」
洋一は目を避ける。
「……俊雄君、明日には帰りなさいよ!!」
舞は乱暴にドアを閉める。
その隣の隣の隣の部屋を開け、俊雄と洋一、智子が入る。
「何かあったら彼女に訊いてみるといいよ、なんでも教えてくれるから」
「えー!? 鳳夫妻の事もあるのに、また仕事を増やすんですかぁ!?」
「冗談だよ。彼女はAPが専門だからな」
「あの……」
俊雄は、訊く。
「本当になりたいんなら、明日、ちゃんと検査するから」
「はい!」
「あれだけのものを見ても、意志は揺るがなかったんだな」
洋一はにっこりと笑う。
「……僕はやっぱり、舞さんはここにいるべきじゃないと思ってます。でも」
なぜか、顔を赤らめる。
「戦ってる舞さんは、かっこいいです。それに、みなさんも、かっこよかった」
「あんたねぇ」
「あ、いえ、そういうのだけじゃないんですけど……でも、僕は」
一歩進んで。
「舞さんと同じ場所に立ちたい。舞さんと一緒にいたい。その気持ちは変わりません」
そう、はっきりと言い切った。
「ひとつだけ」
洋一は近付き、俊雄を壁に押し付けるようにして、訊く。
「君は、女の子と付き合うとしたら、万人から好かれている女性と、万人から嫌われている女性、どっちがいい?」
「もちろん、万人から好かれている人の方がいいと思います」
「俺は、万人から嫌われている方がいい」
「え……」
俊雄は、言葉に詰まる。
「そして、結白舞は、万人から嫌われるかもしれない女だ。我々が敵と戦うということは、そうなる可能性を持つことだ」
「……」
洋一は肩を叩く。
「でも遥は、俺が愛していればそれでいいと言ってくれる。話はそれだけだ」
洋一が肩から手を離し、智子と何かを言い合いながら出て行くのを、その言葉を反芻し、理解できなくても繰り返し続けながら、ただ見ていた。