「じゃ、私たちは戻るから」
『うめー、先に戻ってママを説得しておくからなー』
「お願いねー」
装甲多脚が滑らかに石段を下りていく。
「……じゃ、私たちも一度帰るね」
「ん、じゃねー」
紫恋と神主が神社へと戻る。
「じゃ、いこっか王子」
「あ、はい」
うめとシーバリウはふたり、長い長い石段を下りていく。
「この下にうちの旅館があるから」
「お父上が経営されているのですか?」
「というかママのだけど。ってゆーかその堅苦しい話し方やめない?」
「え、ええと、これが普通なのですが……」
戸惑うシーバリウにうめは吹き出す。
「王子って、面白いよね」
「そ、そうでしょうか……」
「うん、面白い♪」
でも……素直で真面目で実直で、でもいざというとき頼りになって、魔法だって使えて、すごく格好良くて……。
「そういうとこ、私好きだな」
「えええっ!!!???」
どぎまぎするシーバリウ、その反応に自分が何を言ったのか改めて気付いて顔を赤らめる。
「あ、べ、べつにそういう……」
……そういうつもりじゃ、ない?
好きじゃない、ってこと?
好きじゃない、わけじゃない、と思う。
じゃあ、それって……。
それって……。
「シーバリウ君」
「え?」
傾いた陽にシーバリウの髪がきらめく。うめは一歩進んで、シーバリウの手を握る。
「私と……私と、付き合ってみない?」
「……付き合う……というのは、いわゆる恋人同士になる、ということでしょうか」
顔を赤らめてこくこくとうなずく。
「…………?????」
付き合う……恋仲になる……そういうのはまだ先だと思っていたし、結婚だけ先に決まっていた可能性もあったから、こんなことは考えなかった……というより、考えてはいけないことだと思っていた……だけど、まだそういう相手はいないし、うめさんはいい人だし、器量もいいし、断ったら……悪いかもしれないし……。
それよりもなによりも。
この手を握る小さな温もりが、嬉しかった。
だから、満面の笑みで応えた。
「はい、恋人同士になりましょう!」
『うめー、先に戻ってママを説得しておくからなー』
「お願いねー」
装甲多脚が滑らかに石段を下りていく。
「……じゃ、私たちも一度帰るね」
「ん、じゃねー」
紫恋と神主が神社へと戻る。
「じゃ、いこっか王子」
「あ、はい」
うめとシーバリウはふたり、長い長い石段を下りていく。
「この下にうちの旅館があるから」
「お父上が経営されているのですか?」
「というかママのだけど。ってゆーかその堅苦しい話し方やめない?」
「え、ええと、これが普通なのですが……」
戸惑うシーバリウにうめは吹き出す。
「王子って、面白いよね」
「そ、そうでしょうか……」
「うん、面白い♪」
でも……素直で真面目で実直で、でもいざというとき頼りになって、魔法だって使えて、すごく格好良くて……。
「そういうとこ、私好きだな」
「えええっ!!!???」
どぎまぎするシーバリウ、その反応に自分が何を言ったのか改めて気付いて顔を赤らめる。
「あ、べ、べつにそういう……」
……そういうつもりじゃ、ない?
好きじゃない、ってこと?
好きじゃない、わけじゃない、と思う。
じゃあ、それって……。
それって……。
「シーバリウ君」
「え?」
傾いた陽にシーバリウの髪がきらめく。うめは一歩進んで、シーバリウの手を握る。
「私と……私と、付き合ってみない?」
「……付き合う……というのは、いわゆる恋人同士になる、ということでしょうか」
顔を赤らめてこくこくとうなずく。
「…………?????」
付き合う……恋仲になる……そういうのはまだ先だと思っていたし、結婚だけ先に決まっていた可能性もあったから、こんなことは考えなかった……というより、考えてはいけないことだと思っていた……だけど、まだそういう相手はいないし、うめさんはいい人だし、器量もいいし、断ったら……悪いかもしれないし……。
それよりもなによりも。
この手を握る小さな温もりが、嬉しかった。
だから、満面の笑みで応えた。
「はい、恋人同士になりましょう!」