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Machician - 第1話 空から王子が降ってきた (13)
「凍った、ようですね」
 シーバリウが素直に驚く。
 ピシッ!
 バケツの中の水が、さらに凍る。
「?」
 ピシッ、パキャッ。
 立て続けに鳴る音は、止まることなく、少しずつ頻繁になり、
 ビキッ
 バケツから氷の刃が飛び出る。
「! 危険です、皆さん離れてくだ」
 がきょがきょがきょずん。
 離れる間もなく、装甲多脚の前足がバケツを踏み抜いた。
『エルメティアナス吸引、みんな耳塞いで』
「?」
『塞ぐ!!』
「はっ、はい!」
 全員が塞ぐのを確認してから。
 キー!!!!!!
 耳を塞いでも聴き漏れてくる高音に全員の身の毛がよだつ。
 高音が消える。
純粋魔法キャンセル完了、周囲に残存傾向なし、みんなオッケー』
「全然オッケーじゃなーいっ!!」
 紫恋のツッコミとは別に。
「……確かに、危険ですね」
「だからさ」
 ハッチを開けてジャージが顔を出す。
「これからも週1くらいでこういうのやりたいんだけど。本物の魔法使いの指導の元、ちゃんとした魔法をこいつに使わせてやりたいから」
 ぱんぱんと装甲を叩く。
「危険です」
「だから、なんだけど」
「……考えておきます」
 これを使う事そのものに反対したかった。
 でも。
「お願いね♪」
 目は見えないけど、その口元はにっこりと笑っていた。
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