旅館の1階、食堂。
テーブルの上に豪華な食事が並び、その「お誕生日席」の位置に立つシーバリウは目をぱちくりさせていた。その料理の大半は見たことのないものだったが、その匂いは十分に食欲を掻き立てるものだった。
「はいおまち〜」
「はーい」
食堂と厨房を隔てるバーカウンターにはこねが料理を置くと、うめがそれをテーブルへと運ぶ。料理の数が数だけに、はこねも厨房で料理を手伝っていた。ちなみにシーバリウは手伝おうとして叱られ済み。
「うわー美味しそ〜!」
入口から入ってくる待逢一家。
「!!!」
食堂に入ってきた女性がシーバリウを見て硬直する。手を口元に当て、頬を赤らめ、息をのむ。端正な顔立ち、スタイルのいい体つき、シーバリウも自然と彼女の方を向いた。
「あなた……」
「……?……」
「カッコイー!!」
その黄色い声にシーバリウは戸惑う。
「???」
「お母さん!」
紫恋が母親をぽんと叩く。
「! あ、えと、あら山田さん!」
と、何ごともなかったかのように厨房へと入っていく。
「あらむらさきさん」
「何かお手伝いします?」
「じゃあしてもらっちゃおうかしら。これ揚げていただけます?」
「はい!」
銀色のボウルを受け取ってフライパンへと向かう。
「あれ、うちのお母さん」
「はぁ、お綺麗な方ですね」
「……一応うちのお母さんなんだからね?」
「はぁ……ごふっ」
「あーごっめーん」
見とれるように視線を離さないシーバリウにうめの膝が入る。
「……」
その膝の角度に、紫恋は複雑な表情を見せていた。
テーブルの上に豪華な食事が並び、その「お誕生日席」の位置に立つシーバリウは目をぱちくりさせていた。その料理の大半は見たことのないものだったが、その匂いは十分に食欲を掻き立てるものだった。
「はいおまち〜」
「はーい」
食堂と厨房を隔てるバーカウンターにはこねが料理を置くと、うめがそれをテーブルへと運ぶ。料理の数が数だけに、はこねも厨房で料理を手伝っていた。ちなみにシーバリウは手伝おうとして叱られ済み。
「うわー美味しそ〜!」
入口から入ってくる待逢一家。
「!!!」
食堂に入ってきた女性がシーバリウを見て硬直する。手を口元に当て、頬を赤らめ、息をのむ。端正な顔立ち、スタイルのいい体つき、シーバリウも自然と彼女の方を向いた。
「あなた……」
「……?……」
「カッコイー!!」
その黄色い声にシーバリウは戸惑う。
「???」
「お母さん!」
紫恋が母親をぽんと叩く。
「! あ、えと、あら山田さん!」
と、何ごともなかったかのように厨房へと入っていく。
「あらむらさきさん」
「何かお手伝いします?」
「じゃあしてもらっちゃおうかしら。これ揚げていただけます?」
「はい!」
銀色のボウルを受け取ってフライパンへと向かう。
「あれ、うちのお母さん」
「はぁ、お綺麗な方ですね」
「……一応うちのお母さんなんだからね?」
「はぁ……ごふっ」
「あーごっめーん」
見とれるように視線を離さないシーバリウにうめの膝が入る。
「……」
その膝の角度に、紫恋は複雑な表情を見せていた。