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Machician - 第3話 三者三様 (4)
 昼食を取ってから、シーバリウうめが河原へと降り、そこへ装甲多脚が降りてくる。車道からのスロープを大きな音を立てつつ滑らかに降りてくる。
うめがなんでいるの?』
「気にしないで、王子と一緒にいるだけだから」
 それに……ジャージも一応女性なんだし。
 まぁそれはあり得ないとは思うけど。いつも機械と一緒、髪はただ後ろで束ねただけ、化粧なし、そしてあの不格好なゴーグル。……素顔はすごい美人とかありがちだけどそんなわけないし、そもそも色気ゼロだし。でも、注意するに越したことはないでしょ。だいいち、王子ジャージに押し倒されたりとか……。
「どうしました?」
 顔を覗き込む王子
「! ななななんでもないなんでもない」
「はぁ」
『下がって下がって!』
「あ、はい!」
 接近警戒線がめいっぱい広がり、シーバリウうめがその外へと退避する。目標は、装甲多脚の前方10メートル先に置かれた段ボール箱。モニター越しにその影を見据えるジャージ。ガナーシートの2つの穴に両腕を入れると、その腕が絡み取られる。
『オートアライメント実行、テスト開始』
 ゴーグル内に映し出される外の映像、そこに移る機械の両腕は、ジャージの両腕の動きを大きく誇張する。わずかな動作で腕が振られるが、その動きにぎこちなさはない。
『じゃ、始めるよ。下下下リターン』
 21091u.mdl が開き、グレーの無愛想なウィンドウが表示される。
『魔法実行シークェンス開始』
 その言葉が解析され結果がログとして流れる。うん、今日はよく読み取ってくれてる。
『環境解析開始、結果をファイル a.log に保存。パラメーター設定、読み込み a.log 』
 開きっぱなしのフォルダに a.log が作られ、ウィンドウが開いては閉じる。
純粋魔法組立開始、軌道投影図確認』
純粋魔法……」
 シーバリウがその言葉に反応し、目が真剣になる。
 こんな時の王子は、ちょっとかっこいい。
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