「バイトー!?」
神社の裏に建つ家の窓で、紫恋があからさまに嫌な顔をした。
「神社だもん、巫女さんのバイトとかしてなかったっけ?」
「シーズンはね。今は来る人なんていないもの。あっても王子がやれるバイトなんてないよ」
「う”」
そんなあからさまに嫌わなくてもいいじゃない!
嫌いなんだから仕方ないでしょ?
「まぁまぁ、仕方ないですよ。実際、我々が働く必要はないようですし」
境内にはひとっこひとりいない。
「……時々妙にまわりくどくストレートに嫌なこと言うね。だから嫌い」
「ええっ」
「いいもん! 行こ、王子!」
シーバリウを引きずって去っていくうめ。それを見送って、腕の中に顔を埋める。
……本当なら、今日みたいな休みの日は、駅まで遊びに行ったりするのに……。
「バイト?」
ジャージはその質問にちょっと考えた後。
「ってゆーか、魔法のやつ、あれバイトにできるかも」
「ええっ、そうなんですか?」
二人の顔に笑みが灯る。
「前にも言ったけど、魔法のってHACの助成金が出るんだわ」
「あ……でも、それは僕の宿泊費では……」
そういえば、初日にそんな話をしていた。
「あ、そっか……今申請中なんだけど、額が決まって、宿泊費と相談して、余るようならあげるから」
「む、それはママと要相談? じゃあ掛け合ってくる! 行こ、王子!」
「あ、はい。それではジャージさん」
というとあっという間に旅館の方へと走っていった。
……ちぇ。
「今日も魔法の話、できると思ったのになぁ……」
「え、宿泊費ってもらえるの?」
その返答に「あちゃー」といううめ。やぶ蛇だった……。
「え、ええ……魔法の研究資金のようなものだそうです」
「それは助かるわー」
「なによママ、王子ひとりくらい問題ないでしょ?」
「そういう問題じゃないのよ」
でも、そういう話を子供やシーバリウの前では、したくなかった。
「それでは……ここでバイトをする、というのはどうでしょうか」
神社の裏に建つ家の窓で、紫恋があからさまに嫌な顔をした。
「神社だもん、巫女さんのバイトとかしてなかったっけ?」
「シーズンはね。今は来る人なんていないもの。あっても王子がやれるバイトなんてないよ」
「う”」
そんなあからさまに嫌わなくてもいいじゃない!
嫌いなんだから仕方ないでしょ?
「まぁまぁ、仕方ないですよ。実際、我々が働く必要はないようですし」
境内にはひとっこひとりいない。
「……時々妙にまわりくどくストレートに嫌なこと言うね。だから嫌い」
「ええっ」
「いいもん! 行こ、王子!」
シーバリウを引きずって去っていくうめ。それを見送って、腕の中に顔を埋める。
……本当なら、今日みたいな休みの日は、駅まで遊びに行ったりするのに……。
「バイト?」
ジャージはその質問にちょっと考えた後。
「ってゆーか、魔法のやつ、あれバイトにできるかも」
「ええっ、そうなんですか?」
二人の顔に笑みが灯る。
「前にも言ったけど、魔法のってHACの助成金が出るんだわ」
「あ……でも、それは僕の宿泊費では……」
そういえば、初日にそんな話をしていた。
「あ、そっか……今申請中なんだけど、額が決まって、宿泊費と相談して、余るようならあげるから」
「む、それはママと要相談? じゃあ掛け合ってくる! 行こ、王子!」
「あ、はい。それではジャージさん」
というとあっという間に旅館の方へと走っていった。
……ちぇ。
「今日も魔法の話、できると思ったのになぁ……」
「え、宿泊費ってもらえるの?」
その返答に「あちゃー」といううめ。やぶ蛇だった……。
「え、ええ……魔法の研究資金のようなものだそうです」
「それは助かるわー」
「なによママ、王子ひとりくらい問題ないでしょ?」
「そういう問題じゃないのよ」
でも、そういう話を子供やシーバリウの前では、したくなかった。
「それでは……ここでバイトをする、というのはどうでしょうか」