次の週の土曜日。
「なんなのよこれは!!」
紫恋のヒステリックな声にも、うめは動じない。勉強道具一式を抱えたうめとシーバリウ、そしてジャージが境内の裏で待逢家の玄関に立っていた。
「言ったじゃない、一緒に勉強しようって」
「それは聞いた! 確かに百歩譲って王子が来るのを予測できなかったのは私のミスかもしれない! でも!」
ちらとジャージを見る。
「なんであの人がいるのよ」
「それは私が訊きたい。なんで私呼ばれたの? 今日は魔法の日でしょ?」
「事情が変わったの! お金がないからバイトしたいし、勉強するにしても効率よくやった方がいいでしょ。ジャージは頭いいんだから勉強教えてよ」
「ええっ!? 私に家庭教師しろっての!?」
あからさまに戸惑うジャージ。怒っているというよりも混乱していた。
「とりあえず上げてよ」
「あ、ちょっと!」
勝手知ったる我が家のように、うめは待逢家へと入り、12畳の居間で長テーブルを置く。
「……」
紫恋はあきれてものも言えない。玄関で取り残されているシーバリウとジャージ。
……シーバリウはちょっと慣れてきたけど、ジャージは……あんまり話したことないし、結構年上だし……。
「はーやーくー!!」
だだっ子のように机を叩くうめ。
深く溜息をついて。
「上がって」
と言って中へ入っていく紫恋。
「お、おじゃまします……」
「〜〜〜〜」
戸惑いながらも上がるシーバリウと、理不尽なものを感じるジャージも上がる。その玄関で、ジャージが訊く。
「……ねぇ」
「?」
「うめと――付き合う――っていうの、大変じゃない?」
「? 全然大変じゃないですよ?」
そういえば、今も嫌そうな顔はまったくしていない。それどころか。
「どちらかといえば、楽しいです」
「マゾか君は」
「はい?」
ツッコミを入れたのは紫恋だった。
……おまえもな。
「なんなのよこれは!!」
紫恋のヒステリックな声にも、うめは動じない。勉強道具一式を抱えたうめとシーバリウ、そしてジャージが境内の裏で待逢家の玄関に立っていた。
「言ったじゃない、一緒に勉強しようって」
「それは聞いた! 確かに百歩譲って王子が来るのを予測できなかったのは私のミスかもしれない! でも!」
ちらとジャージを見る。
「なんであの人がいるのよ」
「それは私が訊きたい。なんで私呼ばれたの? 今日は魔法の日でしょ?」
「事情が変わったの! お金がないからバイトしたいし、勉強するにしても効率よくやった方がいいでしょ。ジャージは頭いいんだから勉強教えてよ」
「ええっ!? 私に家庭教師しろっての!?」
あからさまに戸惑うジャージ。怒っているというよりも混乱していた。
「とりあえず上げてよ」
「あ、ちょっと!」
勝手知ったる我が家のように、うめは待逢家へと入り、12畳の居間で長テーブルを置く。
「……」
紫恋はあきれてものも言えない。玄関で取り残されているシーバリウとジャージ。
……シーバリウはちょっと慣れてきたけど、ジャージは……あんまり話したことないし、結構年上だし……。
「はーやーくー!!」
だだっ子のように机を叩くうめ。
深く溜息をついて。
「上がって」
と言って中へ入っていく紫恋。
「お、おじゃまします……」
「〜〜〜〜」
戸惑いながらも上がるシーバリウと、理不尽なものを感じるジャージも上がる。その玄関で、ジャージが訊く。
「……ねぇ」
「?」
「うめと――付き合う――っていうの、大変じゃない?」
「? 全然大変じゃないですよ?」
そういえば、今も嫌そうな顔はまったくしていない。それどころか。
「どちらかといえば、楽しいです」
「マゾか君は」
「はい?」
ツッコミを入れたのは紫恋だった。
……おまえもな。