「君達二人に不安を抱いている者は少なくないのが実情だ。だが、よく知らないというのも理由のひとつだろう」
「村の人達に二人を知ってもらう?」
紫恋は鼻で笑うが、神主は笑みで返す。
「そう悲観したものでもない。この村は50歳以上のAP化率100%、そのうえHACの後援を受けている農家や工場も多い。ここも一応東京都だしな」
「都心じゃ東京ってのは区内を言うのよ」
「そうなんですか?」
「信じない信じない」
「そこで、だ」
神主は1枚の広告をテーブルに置く。
「あらまぁ準備のいいこと」
ピンク色の紙に黒一色で書かれたシンプルな一枚。中央に櫓、それを囲む様に踊る人達のイラストが描かれている。
「8月の5日から7日まで、この神社で祭を行う。その会合に出て、手伝うというのはどうだろう」
「なるほど、元々人手も足りないし、一石二鳥ってわけね」
「否定はしないが……これはあくまで案だ。強制はしない」
「参加します」
シーバリウは即答し、全員が振り向く。
「僕のことを皆さんに理解して頂きたいですし、それに何より、この祭という催事に興味があります。僕に手伝わせてください」
「そうか、ジャ」
「ジャージさんも一緒にしましょう!」
ジャージへと振り向き誘うシーバリウ。
「えっと……」
ジャージは逡巡していた。
諦めていた。もう引き時だと思っていた。だから、迷う。
普段なら、きっと、「やっぱりいい」って言っていたと思う。なんで今は、迷ってるんだろう。いつものように否定的になりきれないのは、きっと……このシーバリウの笑顔が、何かを期待させてくれるからなんだろうな……。
そんな二人を見て、うめも迷う。
もちろん、王子がいなくなるっていうのは論外だけど、でもあのお祭りの手伝いを王子がするってことは……なんだかお祭りに王子取られちゃうみたい……あ、なんだ。
「紫恋のお父さん、私もやる!」
「言うと思った!」
紫恋が頭を抱える。
「で、王子もやるし、ジャージさんもやる、あんた達ふたりも当然手伝うんでしょ、じゃ、またいつもの5人パーティで!!」
「え、えーっと」
うめはシーバリウとジャージの手を取って、ブンブン振っていた。
「村の人達に二人を知ってもらう?」
紫恋は鼻で笑うが、神主は笑みで返す。
「そう悲観したものでもない。この村は50歳以上のAP化率100%、そのうえHACの後援を受けている農家や工場も多い。ここも一応東京都だしな」
「都心じゃ東京ってのは区内を言うのよ」
「そうなんですか?」
「信じない信じない」
「そこで、だ」
神主は1枚の広告をテーブルに置く。
「あらまぁ準備のいいこと」
ピンク色の紙に黒一色で書かれたシンプルな一枚。中央に櫓、それを囲む様に踊る人達のイラストが描かれている。
「8月の5日から7日まで、この神社で祭を行う。その会合に出て、手伝うというのはどうだろう」
「なるほど、元々人手も足りないし、一石二鳥ってわけね」
「否定はしないが……これはあくまで案だ。強制はしない」
「参加します」
シーバリウは即答し、全員が振り向く。
「僕のことを皆さんに理解して頂きたいですし、それに何より、この祭という催事に興味があります。僕に手伝わせてください」
「そうか、ジャ」
「ジャージさんも一緒にしましょう!」
ジャージへと振り向き誘うシーバリウ。
「えっと……」
ジャージは逡巡していた。
諦めていた。もう引き時だと思っていた。だから、迷う。
普段なら、きっと、「やっぱりいい」って言っていたと思う。なんで今は、迷ってるんだろう。いつものように否定的になりきれないのは、きっと……このシーバリウの笑顔が、何かを期待させてくれるからなんだろうな……。
そんな二人を見て、うめも迷う。
もちろん、王子がいなくなるっていうのは論外だけど、でもあのお祭りの手伝いを王子がするってことは……なんだかお祭りに王子取られちゃうみたい……あ、なんだ。
「紫恋のお父さん、私もやる!」
「言うと思った!」
紫恋が頭を抱える。
「で、王子もやるし、ジャージさんもやる、あんた達ふたりも当然手伝うんでしょ、じゃ、またいつもの5人パーティで!!」
「え、えーっと」
うめはシーバリウとジャージの手を取って、ブンブン振っていた。