「ジャージも泳ごうよ! それともそれは伊達?」
形は潜水用の水中眼鏡に見えるヘッドマウントディスプレイをうめは指さす。
「そういう意味じゃ伊達よ。でも20気圧防水だから大丈夫」
大丈夫じゃないのは……ジャージは、その名前の由来にもなったジャージも着ず、さらにパレオも解いて、白い水着ひとつになる。
「あ……」
うめが思わず見とれて即座に嫉妬するほど、そのスタイルは見事だった。形の整った胸、くびれたウエスト、すらりと伸びる足、それは「完成されたスタイル」と言っていいものだった。
だから。
まわりの視線、男達が自分を見て溜息をつき、このゴーグルを見て別の溜息をつくのが、うっとおしい。
「いーじゃん、別に気にしなきゃ」
と、スタイルには同じく自信のある紫恋が横に立って言う。
「なんなら王子か高士に彼氏役になってもらえば?」
「へ??」
素っ頓狂な声。
「ダメよダメ! 王子はダメ!」
「そう? 適役だと思うけど?」
「え?」
見れば王子はぼーっとふたりを見ていた。
「でれっとすんな!」
「うわっ!」
どんとどついてプールに落とす。
そして、ジャージの手を引っ張る。
「えっ?」
「彼氏役はだめだけど、みんなで遊んでればまわりなんて気にならないって!」
プールに引き込む後ろ姿を見て、紫恋も溜息をつく。
「スタイルいいのがコンプレックスとはねぇ。あのゴーグルもそういう理由なのかな」
だとしたら取ったらすごい美人とか?
「でもあれだけ取りたがらないんだから違う理由かな……ま、それはともかく」
「ねぇ君、退屈そうだね」
こんがり焼けた男が近づいてくるのを見て、ジャージの苦悩も自慢ながら解ってしまう。にっこりと愛想笑いを向けて、
「じゃあちょっと付き合ってもらおっかな。君、漫才のボケはできる?」
「んー、どっちかって言うと突っ込む方がごふっ」
「下ネタで逃げるなんて最低」
なんて、まぁこれ期待してネタ振りしたんだけど。
形は潜水用の水中眼鏡に見えるヘッドマウントディスプレイをうめは指さす。
「そういう意味じゃ伊達よ。でも20気圧防水だから大丈夫」
大丈夫じゃないのは……ジャージは、その名前の由来にもなったジャージも着ず、さらにパレオも解いて、白い水着ひとつになる。
「あ……」
うめが思わず見とれて即座に嫉妬するほど、そのスタイルは見事だった。形の整った胸、くびれたウエスト、すらりと伸びる足、それは「完成されたスタイル」と言っていいものだった。
だから。
まわりの視線、男達が自分を見て溜息をつき、このゴーグルを見て別の溜息をつくのが、うっとおしい。
「いーじゃん、別に気にしなきゃ」
と、スタイルには同じく自信のある紫恋が横に立って言う。
「なんなら王子か高士に彼氏役になってもらえば?」
「へ??」
素っ頓狂な声。
「ダメよダメ! 王子はダメ!」
「そう? 適役だと思うけど?」
「え?」
見れば王子はぼーっとふたりを見ていた。
「でれっとすんな!」
「うわっ!」
どんとどついてプールに落とす。
そして、ジャージの手を引っ張る。
「えっ?」
「彼氏役はだめだけど、みんなで遊んでればまわりなんて気にならないって!」
プールに引き込む後ろ姿を見て、紫恋も溜息をつく。
「スタイルいいのがコンプレックスとはねぇ。あのゴーグルもそういう理由なのかな」
だとしたら取ったらすごい美人とか?
「でもあれだけ取りたがらないんだから違う理由かな……ま、それはともかく」
「ねぇ君、退屈そうだね」
こんがり焼けた男が近づいてくるのを見て、ジャージの苦悩も自慢ながら解ってしまう。にっこりと愛想笑いを向けて、
「じゃあちょっと付き合ってもらおっかな。君、漫才のボケはできる?」
「んー、どっちかって言うと突っ込む方がごふっ」
「下ネタで逃げるなんて最低」
なんて、まぁこれ期待してネタ振りしたんだけど。