うめ達が外に出たとき、男の怒鳴り声が聞こえた。
「そんな簡単に慣れるな!!」
「?」
境内の中央、来た時にも会った3人の男と、怒鳴っている年配の男性が見える。境内の数少ない明かりは、その男性の顔を映し出さないが。
「あれ、林田さん……?」
高士が一歩前に出て近づいていく。
「いや、俺達はそうでもないんだけど、こいつが……」
「別に慣れたわけじゃないって、けど……」
「けどなんだ? 魔法使いだということを忘れたのか!? ……?」
男が高士に気付いて振り向く。抹茶色の古風な服装に身を包むその男は、高士に目を向けてもその表情は厳ついまま。
「高士か、お前まで毒されたか」
「……どういう意味ですか」
声音には、すでに警戒と威嚇の意が含まれている。その高士の肩越しにシーバリウ達を確認して。
「神に仕える者が魔法を信じるな!!」
その闇夜を切り裂く怒声にも、高士は動じない。
「父は言いました。魔法とは科学のようなものであり、それによって我々の信仰が揺るぐことはないと」
「当然だ、揺るぐはずがない。だが一般の信者はどう思う? 唱えれば叶う、そんなまさに魔法のようなものが存在する、それは神の超常一切を否定するものだ」
「だからといって、誰だって占いをしますし、神頼みもすると思います」
「ふん、どうだか。今に魔法が一般的になれば我々は用済みになる。信心深くなければなおさら、現実的に効果がある方へと流れるは必定。お前の所もすぐに客が減る」
「そうかな」
ジャージが一歩出て言う。
「私は魔法の研究をしているんだけど、いろんなとこで宗教と魔法の関係について熱心に研究してるんだって。ねぇ」
と、ジャージは神社を見上げる。
「昔はさ、本当に魔法みたいな効果があったんじゃないかな。それを忘れてるんだとしたら、また、それを取り戻すこともできるんじゃない?」
「できるわけないだろう! そのような……まがい物など」
そう言い切って、男は立ち去っていく。
「そんな簡単に慣れるな!!」
「?」
境内の中央、来た時にも会った3人の男と、怒鳴っている年配の男性が見える。境内の数少ない明かりは、その男性の顔を映し出さないが。
「あれ、林田さん……?」
高士が一歩前に出て近づいていく。
「いや、俺達はそうでもないんだけど、こいつが……」
「別に慣れたわけじゃないって、けど……」
「けどなんだ? 魔法使いだということを忘れたのか!? ……?」
男が高士に気付いて振り向く。抹茶色の古風な服装に身を包むその男は、高士に目を向けてもその表情は厳ついまま。
「高士か、お前まで毒されたか」
「……どういう意味ですか」
声音には、すでに警戒と威嚇の意が含まれている。その高士の肩越しにシーバリウ達を確認して。
「神に仕える者が魔法を信じるな!!」
その闇夜を切り裂く怒声にも、高士は動じない。
「父は言いました。魔法とは科学のようなものであり、それによって我々の信仰が揺るぐことはないと」
「当然だ、揺るぐはずがない。だが一般の信者はどう思う? 唱えれば叶う、そんなまさに魔法のようなものが存在する、それは神の超常一切を否定するものだ」
「だからといって、誰だって占いをしますし、神頼みもすると思います」
「ふん、どうだか。今に魔法が一般的になれば我々は用済みになる。信心深くなければなおさら、現実的に効果がある方へと流れるは必定。お前の所もすぐに客が減る」
「そうかな」
ジャージが一歩出て言う。
「私は魔法の研究をしているんだけど、いろんなとこで宗教と魔法の関係について熱心に研究してるんだって。ねぇ」
と、ジャージは神社を見上げる。
「昔はさ、本当に魔法みたいな効果があったんじゃないかな。それを忘れてるんだとしたら、また、それを取り戻すこともできるんじゃない?」
「できるわけないだろう! そのような……まがい物など」
そう言い切って、男は立ち去っていく。