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Machician - 第4話 機械の魔法、機械の天使 (13)
「なぜ、僕が王子だということが、うめさんと関係あるんですか?」
 ……………………!!
「ああ、そういうことね」
 ちょっとホッとしてから、訊き返す。
「じゃあ訊くけど、あんた、帰る時はうめのことどうするの?」
「あ……」
 今度はシーバリウが言い淀む。
「選択肢はいくつかあるのですが……」
「そんなこと訊いてない!」
「!!」
 紫恋は、本気でシーバリウを睨み付ける。
「あんたは、どうしたいのか訊いてるの!」
「ええと……」
うめのこと、どうするつもりなの!?」
「そ、それは……」
「今ここで、はっきり言って!!」
「――そ、そんなこと今言われても答えられません!!
「え……」
 紫恋よりも声を荒げて、王子が言い返す。
「あ……ごめんなさい……僕にもまだ、決められないんです……」
「…………」
 うつむき、くちびるを噛むシーバリウを見て、自分が意地悪な質問をしたことに気付く。それは、付き合い始めたカップルに「結婚するの?」と訊くようなものだった。
「ごめん、言い過ぎた。今のは忘れて」
「……いえ、でも、いつかは結論を出さなきゃいけないと思っています」
 ……それがきっと、ひとつの答。
 王子は、うめのことを好きになりきれてない。
 ……多分、愛していない。
 その事実に苛ついている、自分がいる。
 ……それが、急ぎすぎていることにも気付いている。
 うめ王子、ゆっくりと好きになっていけばいい。
 ……でも私は、うめの幸せを約束して欲しい。
 そうでなければ、うめ王子と付き合う意味がない。
 ……もう、あんなふうに悲しまれるのは嫌だから。
 だからといって。
「ん、わかった」
「え……」
 紫恋王子に顔を寄せる。また、シーバリウの鼓動が早くなる。
「これはあんたとうめの問題なんだから、ちゃんとふたりで決めなさいよ」
 笑顔で胸をこづいて、念を押す。すぐ近くで正視する紫恋に、シーバリウ
「……はい」
 と答えるので精一杯だった。
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