「なぜ、僕が王子だということが、うめさんと関係あるんですか?」
……………………!!
「ああ、そういうことね」
ちょっとホッとしてから、訊き返す。
「じゃあ訊くけど、あんた、帰る時はうめのことどうするの?」
「あ……」
今度はシーバリウが言い淀む。
「選択肢はいくつかあるのですが……」
「そんなこと訊いてない!」
「!!」
紫恋は、本気でシーバリウを睨み付ける。
「あんたは、どうしたいのか訊いてるの!」
「ええと……」
「うめのこと、どうするつもりなの!?」
「そ、それは……」
「今ここで、はっきり言って!!」
「――そ、そんなこと今言われても答えられません!!」
「え……」
紫恋よりも声を荒げて、王子が言い返す。
「あ……ごめんなさい……僕にもまだ、決められないんです……」
「…………」
うつむき、くちびるを噛むシーバリウを見て、自分が意地悪な質問をしたことに気付く。それは、付き合い始めたカップルに「結婚するの?」と訊くようなものだった。
「ごめん、言い過ぎた。今のは忘れて」
「……いえ、でも、いつかは結論を出さなきゃいけないと思っています」
……それがきっと、ひとつの答。
王子は、うめのことを好きになりきれてない。
……多分、愛していない。
その事実に苛ついている、自分がいる。
……それが、急ぎすぎていることにも気付いている。
うめと王子、ゆっくりと好きになっていけばいい。
……でも私は、うめの幸せを約束して欲しい。
そうでなければ、うめが王子と付き合う意味がない。
……もう、あんなふうに悲しまれるのは嫌だから。
だからといって。
「ん、わかった」
「え……」
紫恋は王子に顔を寄せる。また、シーバリウの鼓動が早くなる。
「これはあんたとうめの問題なんだから、ちゃんとふたりで決めなさいよ」
笑顔で胸をこづいて、念を押す。すぐ近くで正視する紫恋に、シーバリウは
「……はい」
と答えるので精一杯だった。
……………………!!
「ああ、そういうことね」
ちょっとホッとしてから、訊き返す。
「じゃあ訊くけど、あんた、帰る時はうめのことどうするの?」
「あ……」
今度はシーバリウが言い淀む。
「選択肢はいくつかあるのですが……」
「そんなこと訊いてない!」
「!!」
紫恋は、本気でシーバリウを睨み付ける。
「あんたは、どうしたいのか訊いてるの!」
「ええと……」
「うめのこと、どうするつもりなの!?」
「そ、それは……」
「今ここで、はっきり言って!!」
「――そ、そんなこと今言われても答えられません!!」
「え……」
紫恋よりも声を荒げて、王子が言い返す。
「あ……ごめんなさい……僕にもまだ、決められないんです……」
「…………」
うつむき、くちびるを噛むシーバリウを見て、自分が意地悪な質問をしたことに気付く。それは、付き合い始めたカップルに「結婚するの?」と訊くようなものだった。
「ごめん、言い過ぎた。今のは忘れて」
「……いえ、でも、いつかは結論を出さなきゃいけないと思っています」
……それがきっと、ひとつの答。
王子は、うめのことを好きになりきれてない。
……多分、愛していない。
その事実に苛ついている、自分がいる。
……それが、急ぎすぎていることにも気付いている。
うめと王子、ゆっくりと好きになっていけばいい。
……でも私は、うめの幸せを約束して欲しい。
そうでなければ、うめが王子と付き合う意味がない。
……もう、あんなふうに悲しまれるのは嫌だから。
だからといって。
「ん、わかった」
「え……」
紫恋は王子に顔を寄せる。また、シーバリウの鼓動が早くなる。
「これはあんたとうめの問題なんだから、ちゃんとふたりで決めなさいよ」
笑顔で胸をこづいて、念を押す。すぐ近くで正視する紫恋に、シーバリウは
「……はい」
と答えるので精一杯だった。