祭の前日。
「と言っても、もうほとんど終わってますから」
紙をめくって、スケジュールとTODOを確認する。
「あとは、今日の夕方に来るおみこしくらいだよね」
「それなのですが、オミコシというものは神社に必ずあるものではないのですか?」
「最近はないみたい。見たら判るけど、高そうだもの。いろんな神社で共有する方が安上がりなんじゃない?」
「そうなのですか、見るのが楽しみです」
「私は屋台が楽しみ! 来たら一緒に回ろうね!」
「あ……」
「いいよ、明日はおじさん達がやるから」
休憩所に座る男達が許可を出し、シーバリウの顔が明るくなる。
「はい、それではお言葉に甘えて!」
「やったー!」
「二人きりだからってえっちなことすんじゃねーぞ!?」
「え”!?」
どぎまぎする二人に笑い声が上がる。
「!……」
シーバリウの顔が、ほんの少し、回りから気付かないほど微かに硬くなる。
『うめさん、返事はせずに聞いてください』
「!?」
うめはシーバリウの方を向く。シーバリウは別の方を向いている。
『今、うめさんの心に直接話しかけてます。うめさんも心の中で答えてみてください』
『……聞こえる?』
『はい、聞こえます』
『すっごーい! 魔法ってこんなこともできるんだ。あ”、じゃあ毎晩携帯で話す必要ないじゃん』
『えっと……これって結構魔法力使いますし、それに、直接会えばいいのでは……』
『ママやパパに見つかったらやだもん……で』
その声は真面目。
『王子、何かあった?』
『はい。顔は向けないで、セラフの背中を見てください』
『背中……?……??』
セラフの背中、6枚の羽の下に、ワースを着た人間が二人いる。
『なに、あれ……』
『警察の方です。私服警官の方があの方向を注視しています。おそらく強制解放するのでしょう』
『え? じゃあ』
『うめさんは何くわぬ顔で家の中に入ってください。ジャージさん、聞こえました?』
『うん、聞こえてる』
うめにもジャージの声が届く。その声は、緊張していた。
「と言っても、もうほとんど終わってますから」
紙をめくって、スケジュールとTODOを確認する。
「あとは、今日の夕方に来るおみこしくらいだよね」
「それなのですが、オミコシというものは神社に必ずあるものではないのですか?」
「最近はないみたい。見たら判るけど、高そうだもの。いろんな神社で共有する方が安上がりなんじゃない?」
「そうなのですか、見るのが楽しみです」
「私は屋台が楽しみ! 来たら一緒に回ろうね!」
「あ……」
「いいよ、明日はおじさん達がやるから」
休憩所に座る男達が許可を出し、シーバリウの顔が明るくなる。
「はい、それではお言葉に甘えて!」
「やったー!」
「二人きりだからってえっちなことすんじゃねーぞ!?」
「え”!?」
どぎまぎする二人に笑い声が上がる。
「!……」
シーバリウの顔が、ほんの少し、回りから気付かないほど微かに硬くなる。
『うめさん、返事はせずに聞いてください』
「!?」
うめはシーバリウの方を向く。シーバリウは別の方を向いている。
『今、うめさんの心に直接話しかけてます。うめさんも心の中で答えてみてください』
『……聞こえる?』
『はい、聞こえます』
『すっごーい! 魔法ってこんなこともできるんだ。あ”、じゃあ毎晩携帯で話す必要ないじゃん』
『えっと……これって結構魔法力使いますし、それに、直接会えばいいのでは……』
『ママやパパに見つかったらやだもん……で』
その声は真面目。
『王子、何かあった?』
『はい。顔は向けないで、セラフの背中を見てください』
『背中……?……??』
セラフの背中、6枚の羽の下に、ワースを着た人間が二人いる。
『なに、あれ……』
『警察の方です。私服警官の方があの方向を注視しています。おそらく強制解放するのでしょう』
『え? じゃあ』
『うめさんは何くわぬ顔で家の中に入ってください。ジャージさん、聞こえました?』
『うん、聞こえてる』
うめにもジャージの声が届く。その声は、緊張していた。