神主の右貫手が林田の喉を狙う。
その手を林田が右手で外に流し、そのまま手首を掴もうとする。
右手がたたまれ、肘となって林田の顔を狙う。
追い付いた林田の右手が神主の右手を掴み左手で神主の左肩を押さえる。
神主の肘が極まる。
「ふっ」
『ッ!!』
寸前、神主の体が強く前進、右肘が林田の顔面に直撃する。
「はっ」
肘を開き叩き降ろす掌が林田の左脇腹に打ち込まれる。炸裂音と共に林田が後退する。
「やった……?」
が、林田はすぐさま構えを取る。
「そんな」
「ワースというのはよほど丈夫にできているのだな、今の音も単に空気が破裂しただけか」
『……なんだ今の当て身は。あのようなもの、師匠には教わらなかった……我流か? それとも、お前だけが教わったとでも言うのか!!』
「どちらでもない。待逢に教わったものだ」
『! あのじじいか……』
「待逢に嫁ぐことを決めてから、神事と共に教わった。師匠は笑いながら破門にしてくださったよ」
『……』
不利だ。
業の上では明らかに不利だった。
同門であるなら互角だったが、神主は林田が使う業の全てを知り、加えて林田の知らない業を使う。
「確かに、お前がワースを着ている以上、倒すことはできないかもしれないが――」
神主が歩を進め、林田が後ずさる。
「それでも、私はお前を叩き続ける。言っただろう」
笑みが消え、目が林田を射抜く。
「お前を絶対に許さない、と」
神主が踏み込む。
『!!』
林田が、体を固めて待ち構える。
耐え抜け!
耐え抜くんだ!!
奴の力なら致命傷を負うことはない!
なら、持久戦に持ち込めば……!?
金属音と共に、体を包み込む、カーキ色の手。
『はぁっ……本当に気付かないなんて……』
装甲多脚から聞こえるジャージの声は、あっけにとられたものだった。
その手を林田が右手で外に流し、そのまま手首を掴もうとする。
右手がたたまれ、肘となって林田の顔を狙う。
追い付いた林田の右手が神主の右手を掴み左手で神主の左肩を押さえる。
神主の肘が極まる。
「ふっ」
『ッ!!』
寸前、神主の体が強く前進、右肘が林田の顔面に直撃する。
「はっ」
肘を開き叩き降ろす掌が林田の左脇腹に打ち込まれる。炸裂音と共に林田が後退する。
「やった……?」
が、林田はすぐさま構えを取る。
「そんな」
「ワースというのはよほど丈夫にできているのだな、今の音も単に空気が破裂しただけか」
『……なんだ今の当て身は。あのようなもの、師匠には教わらなかった……我流か? それとも、お前だけが教わったとでも言うのか!!』
「どちらでもない。待逢に教わったものだ」
『! あのじじいか……』
「待逢に嫁ぐことを決めてから、神事と共に教わった。師匠は笑いながら破門にしてくださったよ」
『……』
不利だ。
業の上では明らかに不利だった。
同門であるなら互角だったが、神主は林田が使う業の全てを知り、加えて林田の知らない業を使う。
「確かに、お前がワースを着ている以上、倒すことはできないかもしれないが――」
神主が歩を進め、林田が後ずさる。
「それでも、私はお前を叩き続ける。言っただろう」
笑みが消え、目が林田を射抜く。
「お前を絶対に許さない、と」
神主が踏み込む。
『!!』
林田が、体を固めて待ち構える。
耐え抜け!
耐え抜くんだ!!
奴の力なら致命傷を負うことはない!
なら、持久戦に持ち込めば……!?
金属音と共に、体を包み込む、カーキ色の手。
『はぁっ……本当に気付かないなんて……』
装甲多脚から聞こえるジャージの声は、あっけにとられたものだった。