紫恋の部屋、二人っきりの男女、しかも紫恋は下着だけ、シーバリウも体を拭いたからか、胸元がはだけている。
紫恋は赤くなるが、逆にシーバリウは冷静。
「なんか結構慣れてるって感じね……むかつくなー、やっぱ落としちゃおう」
と、ネックレスを外に投げるマネをする。
「!」
と、シーバリウが瞬時に踏み込む。
「え……ッ」
突然の、高揚感。抑制からの、解放。
何かが、音を立てて、色を、変える。
抑え込まれていたそれが、紫恋の心を一瞬にして塗り替える。
シーバリウが、ゆっくりと、近づいてくる。
そのシーバリウを抱え込んで、ベッドへと押し倒す。
「!?」
何が起きたのか理解できないシーバリウ。そのシーバリウに馬乗りになる紫恋。
「し、紫恋さん?」
「ふっふっふー、犯しちゃおうっかなー」
「えええええええ?」
とたんに戸惑いの顔を見せるシーバリウ、にやつく紫恋。
「なーんてね、冗談冗談。そんな本当にうめが悲しむこと――――」
悲しむこと?
本当に悲しむ?
うめの泣き顔じゃなく、怒る顔が見える。
標的は、私。
王子がうめを振るんじゃなく、私が王子を寝取ったら。
うめは泣かないで、怒るだけなんじゃないだろうか。
それなら、何もかも問題ないんじゃないだろうか……。
「紫恋さん……冗談にもほどが」
「うるさい」
紫恋がその手をシーバリウの鼻先へとかざす。
「し、紫恋さ――――え――――」
シーバリウの動きが、声が、意識が、止まる。
それは、まるで。
蜂が、得物を食べる為に、神経毒を刺して、動きを止めるように。
シーバリウのすべてが、止まる。
「やっと、止まった」
紫恋は、それが自分によるものだと、自覚していた。
「そっか、あの時と同じだ……ふふ、じゃあいただいちゃおうかな」
唇を舐めて、シーバリウの胸元を開き、舌を這わせる。
懐かしい、味。
でも、新鮮な、味。
今度は、ちゃんと、理解している。
「あんたとやれば、みんな丸く収まる――うめが泣くことはないんだから。さあ、私を抱きなさい、シーバリウ」
瞳の色を失ったシーバリウが、その両腕を伸ばし、うめの首を絡め取り、抱き寄せ、体を重ねる。
「……あったかい」
床に落ちたネックレスは、ただそこで瞬くだけだった。
つづく。
紫恋は赤くなるが、逆にシーバリウは冷静。
「なんか結構慣れてるって感じね……むかつくなー、やっぱ落としちゃおう」
と、ネックレスを外に投げるマネをする。
「!」
と、シーバリウが瞬時に踏み込む。
「え……ッ」
突然の、高揚感。抑制からの、解放。
何かが、音を立てて、色を、変える。
抑え込まれていたそれが、紫恋の心を一瞬にして塗り替える。
シーバリウが、ゆっくりと、近づいてくる。
そのシーバリウを抱え込んで、ベッドへと押し倒す。
「!?」
何が起きたのか理解できないシーバリウ。そのシーバリウに馬乗りになる紫恋。
「し、紫恋さん?」
「ふっふっふー、犯しちゃおうっかなー」
「えええええええ?」
とたんに戸惑いの顔を見せるシーバリウ、にやつく紫恋。
「なーんてね、冗談冗談。そんな本当にうめが悲しむこと――――」
悲しむこと?
本当に悲しむ?
うめの泣き顔じゃなく、怒る顔が見える。
標的は、私。
王子がうめを振るんじゃなく、私が王子を寝取ったら。
うめは泣かないで、怒るだけなんじゃないだろうか。
それなら、何もかも問題ないんじゃないだろうか……。
「紫恋さん……冗談にもほどが」
「うるさい」
紫恋がその手をシーバリウの鼻先へとかざす。
「し、紫恋さ――――え――――」
シーバリウの動きが、声が、意識が、止まる。
それは、まるで。
蜂が、得物を食べる為に、神経毒を刺して、動きを止めるように。
シーバリウのすべてが、止まる。
「やっと、止まった」
紫恋は、それが自分によるものだと、自覚していた。
「そっか、あの時と同じだ……ふふ、じゃあいただいちゃおうかな」
唇を舐めて、シーバリウの胸元を開き、舌を這わせる。
懐かしい、味。
でも、新鮮な、味。
今度は、ちゃんと、理解している。
「あんたとやれば、みんな丸く収まる――うめが泣くことはないんだから。さあ、私を抱きなさい、シーバリウ」
瞳の色を失ったシーバリウが、その両腕を伸ばし、うめの首を絡め取り、抱き寄せ、体を重ねる。
「……あったかい」
床に落ちたネックレスは、ただそこで瞬くだけだった。
つづく。