「この前のことをうめに言ったら、きっと私怒られるし、うめだって王子のこと嫌いになる。王子は結局うめのこと好きじゃなかったんだし、それで全部うまくいく、なんてその時は思って……」
「でも、それってちょっと……」
「はい」
手をきゅっと握る。
「人として、最低だと思います」
「……シーバリウがうめのこと好きじゃない、って本当?」
「この前一緒に覗いてたじゃないですか。あの時、王子がうめを押しとどめようとしたんです」
「え……?」
「その時、うめが振られるって思ったらいたたまれなくなって……」
「だからあんなことしたんだ……なるほどね」
「そこに気付かなかったジャージさんのせいって気もするんですが」
「う”……無茶言わないでよ、そんなに冷静に見てなかったし……」
「まぁそれは冗談ですけど……ひとつ気になるのは、あの時、私も王子も、なんていうか、ちょっと変になってたんです」
「お酒とか飲んでたって事は?」
「甘酒も飲んでません。飲んでたとしても、私は強い方ですし、王子もそうだと思います」
「うーん……」
「でも、それよりも、うめにどうやって切り出そうか、ってことの方が問題なんです。それに」
唇を噛んで。
「きっと王子、すごく困ってる。王子、嘘なんてつきたくないと思うのに、ずっと……」
「うーん、それはどうかなぁ」
「え?」
「シーバリウは正義感の強い方だから、今回の件、多分あんたの共犯者だって考えてると思うよ」
「え……」
「その時がどういう状況であれ、シーバリウが拒まなかったんだから、もしかしたら自分が一番悪いくらいに思ってるかも」
「………………」
「でも」
「?」
「それはシーバリウのいいところでもあるし、悪いところでもあるんだから。それに、何よりまず解決しなきゃ」
ジャージは溜息をつく。
「……って言っても、やっぱり私にはどうすればいいのかわからないけどね……」
「いえ」
紫恋はすっくと立ち上がる。
「話したらすっきりしました。このままじゃ王子が先に謝っちゃうかもしれないし、それじゃ、本当に私、酷いから」
笑顔を見せて。
「ちゃんと、話してみます」
「でも、それってちょっと……」
「はい」
手をきゅっと握る。
「人として、最低だと思います」
「……シーバリウがうめのこと好きじゃない、って本当?」
「この前一緒に覗いてたじゃないですか。あの時、王子がうめを押しとどめようとしたんです」
「え……?」
「その時、うめが振られるって思ったらいたたまれなくなって……」
「だからあんなことしたんだ……なるほどね」
「そこに気付かなかったジャージさんのせいって気もするんですが」
「う”……無茶言わないでよ、そんなに冷静に見てなかったし……」
「まぁそれは冗談ですけど……ひとつ気になるのは、あの時、私も王子も、なんていうか、ちょっと変になってたんです」
「お酒とか飲んでたって事は?」
「甘酒も飲んでません。飲んでたとしても、私は強い方ですし、王子もそうだと思います」
「うーん……」
「でも、それよりも、うめにどうやって切り出そうか、ってことの方が問題なんです。それに」
唇を噛んで。
「きっと王子、すごく困ってる。王子、嘘なんてつきたくないと思うのに、ずっと……」
「うーん、それはどうかなぁ」
「え?」
「シーバリウは正義感の強い方だから、今回の件、多分あんたの共犯者だって考えてると思うよ」
「え……」
「その時がどういう状況であれ、シーバリウが拒まなかったんだから、もしかしたら自分が一番悪いくらいに思ってるかも」
「………………」
「でも」
「?」
「それはシーバリウのいいところでもあるし、悪いところでもあるんだから。それに、何よりまず解決しなきゃ」
ジャージは溜息をつく。
「……って言っても、やっぱり私にはどうすればいいのかわからないけどね……」
「いえ」
紫恋はすっくと立ち上がる。
「話したらすっきりしました。このままじゃ王子が先に謝っちゃうかもしれないし、それじゃ、本当に私、酷いから」
笑顔を見せて。
「ちゃんと、話してみます」