うめが突然立ち上がり、椅子がゆっくりと傾いて床に倒れる。視線は、ブレスレット型の携帯端末に釘付け。
「……うめ、さん?」
「ちょっと行ってくる!!」
「あっ」
一度自分の部屋に戻り、30秒も経たないうちにまた出てきて家を飛び出す。
「…………」
決まっている。
紫恋さんからだ。
――このままでは、紫恋さんが謝ってしまう――。
うめを追い掛け、玄関を出る。
『ルーナツィアーク!』
手を伸ばし降りてくる杖を掴むとすかさずまたがり空へと上がる。
「うめさんは……」
いた。
神社への階段を登り始めた所。
「紫恋さんは家に……あっ」
神社の本殿に隠れた所、以前缶コーヒーを片手に話をした場所だった。
杖を傾けて進もうとしたその時。
「あれ……」
待逢家から高士が出てきて、神社の石段へと向かう。
「あ……」
それを見つけた紫恋が挙動不審になる。
「ああ……」
うめと高士が遭遇し、うめがぜーはーぜーはー言いながら紫恋の方向を指さす。
「……」
紫恋が何くわぬ顔で手を挙げ、二人の方へと歩いていく。
「……あれではきっと話せませんね」
気持ちを切り替え、杖を傾けて下へと降りていく。
「……本当に、この一週間、何やってるんでしょう僕は……」
そんな独り言を言いながら、杖を離し、階段の下で待つ。
「あれ? 王子、どうしたの?」
「いえ、うめさんが心配でしたので」
と、にっこり笑って答える。
ああ、僕はまた……。
と、それに気付いた紫恋が、申し訳なさそうに手を合わせる。
いいんですよ。これは、僕の問題なんですから。
「……うめ、さん?」
「ちょっと行ってくる!!」
「あっ」
一度自分の部屋に戻り、30秒も経たないうちにまた出てきて家を飛び出す。
「…………」
決まっている。
紫恋さんからだ。
――このままでは、紫恋さんが謝ってしまう――。
うめを追い掛け、玄関を出る。
『ルーナツィアーク!』
手を伸ばし降りてくる杖を掴むとすかさずまたがり空へと上がる。
「うめさんは……」
いた。
神社への階段を登り始めた所。
「紫恋さんは家に……あっ」
神社の本殿に隠れた所、以前缶コーヒーを片手に話をした場所だった。
杖を傾けて進もうとしたその時。
「あれ……」
待逢家から高士が出てきて、神社の石段へと向かう。
「あ……」
それを見つけた紫恋が挙動不審になる。
「ああ……」
うめと高士が遭遇し、うめがぜーはーぜーはー言いながら紫恋の方向を指さす。
「……」
紫恋が何くわぬ顔で手を挙げ、二人の方へと歩いていく。
「……あれではきっと話せませんね」
気持ちを切り替え、杖を傾けて下へと降りていく。
「……本当に、この一週間、何やってるんでしょう僕は……」
そんな独り言を言いながら、杖を離し、階段の下で待つ。
「あれ? 王子、どうしたの?」
「いえ、うめさんが心配でしたので」
と、にっこり笑って答える。
ああ、僕はまた……。
と、それに気付いた紫恋が、申し訳なさそうに手を合わせる。
いいんですよ。これは、僕の問題なんですから。