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Machician - 第7話 灰色の鬼、白き翼 (8)
 な……。
「そんな……そ、そんなの駄目!」
 紫恋はその手を振り解く。
「悪いのは私なんだもん! あの時だって」
「それだって、時間が経てば解決した、でしょ?」
「!!」
「だったらいいじゃん、きっと私に言ったら怒りそうなことなんでしょー、でもそんなのいつか忘れちゃうから大丈夫だって。それに」
 うめが、王子の方を向く。
王子が来てから、私王子にべったりだったもんね。寂しくさせちゃったのかなー、なんて」
 くふふ、と笑う。
「でもね、王子、この前キスしてくれるところだったんだよ! それがさー、紫恋が邪魔するから。あ、もしかしてそれ関係の? ……紫恋?」
 紫恋は。
「……泣いてるの?」
「う、ううっ……」
 泣きたくない。
 泣いてるところ、見られたくない。
 うめに見られたくない。
 うめに見て欲しくない!
 恥ずかしい!!
 情けない!!!
 最低だ!
 私、最低だ!!
 うめはこんなに優しくしてくれるのに。
 私はうめを裏切った!!
 最悪の事した!!
 なんで、なんでこんなに……。
 もう嫌!!
 もう、何かも無しにしたい!!
 戻りたい……。
 終わりにしたい。
 死んじゃいたいッッ!!
あ”あっあ”っー!!
「し、紫恋!?」
 声にならない嗚咽が、木々の間を響き渡る。
うめ、ごめん、本当に、本当に――――」
紫恋! しれんん!」
 うめも涙目になって、紫恋の肩を抱く。
「……姉さん」
紫恋さ――え?」
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