「――――――――――――――――――――ッ!」
それは、まるでロケットの衝撃波のように。
鋭い閃光の如くシーバリウは急降下し剣を石人に叩き付ける。鈍い高周波が鳴り響き、石人は弾かれ本殿へと倒れ込む。
「王子!」
「高士さんはお母さんを! うめさんは――くっ!」
息をつく暇さえも与えない。石人は体を起こすのと同時に腕を振り下ろし地面を砕く。
「きぃっ!!」
剣を横に薙ぎ腕へと叩き付ける。腕を構成する岩を砕くことはできないが、それは見えない力によって弾かれ石人の後ろ側へと弾き飛ばす。
「――っ」
石人の左フックをまともに剣で受け後退、そこへ矢の如く飛ぶ石片の鞭が一閃、二閃、シーバリウは剣で受け流しつつ脇へと回り込み、踏み込んで石人の右腕の下をかいくぐりその暴風さえも剣で切り裂き懐へ潜り剣を構える。
「つらぬけーッ!!」
渾身の力を込めた突きを、胴体を構成する8つの石の中央、継ぎ目へと突き立てる。
「!!ッ」
が、それは一寸とて削ることはなく。
「っ」
頭上から石片が飛び、それを必死で躱し横に薙いだ剣が見えない速さで叩き付けられた右手を止め
『アゴルビツィナッヴァ!』
かざした左手で氷錐を射、それが石人の頭部に当たる間に回り込み左足を薙ぎ返す刀で上へと振り払い左腕の攻撃を防ぐ。
それを、うめも紫恋も、見ていることしかできなかった。
「……どうしよう」
それは、うめの言葉。
「……うめ?」
「多分、王子勝てないよ……拮抗してるけど、ダメージ与えられてないし、魔法が切れたら……何か……なんとかしないと……」
「……………………」
うめが、どうすべきかを必死で考えている。
高士が、あんなでかいのに当て身をかましてくれた。
母が、死を覚悟して囮になろうとした。
そして、シーバリウがあの化け物と戦っている。
――私は、私はッ!!
「え………………あ”、痛、あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」
うめが足を押さえて声にならない悲鳴を上げる。
「うめ、うめっ!!」
なんで、私は声しか掛けられないのッ!!
それは、まるでロケットの衝撃波のように。
鋭い閃光の如くシーバリウは急降下し剣を石人に叩き付ける。鈍い高周波が鳴り響き、石人は弾かれ本殿へと倒れ込む。
「王子!」
「高士さんはお母さんを! うめさんは――くっ!」
息をつく暇さえも与えない。石人は体を起こすのと同時に腕を振り下ろし地面を砕く。
「きぃっ!!」
剣を横に薙ぎ腕へと叩き付ける。腕を構成する岩を砕くことはできないが、それは見えない力によって弾かれ石人の後ろ側へと弾き飛ばす。
「――っ」
石人の左フックをまともに剣で受け後退、そこへ矢の如く飛ぶ石片の鞭が一閃、二閃、シーバリウは剣で受け流しつつ脇へと回り込み、踏み込んで石人の右腕の下をかいくぐりその暴風さえも剣で切り裂き懐へ潜り剣を構える。
「つらぬけーッ!!」
渾身の力を込めた突きを、胴体を構成する8つの石の中央、継ぎ目へと突き立てる。
「!!ッ」
が、それは一寸とて削ることはなく。
「っ」
頭上から石片が飛び、それを必死で躱し横に薙いだ剣が見えない速さで叩き付けられた右手を止め
『アゴルビツィナッヴァ!』
かざした左手で氷錐を射、それが石人の頭部に当たる間に回り込み左足を薙ぎ返す刀で上へと振り払い左腕の攻撃を防ぐ。
それを、うめも紫恋も、見ていることしかできなかった。
「……どうしよう」
それは、うめの言葉。
「……うめ?」
「多分、王子勝てないよ……拮抗してるけど、ダメージ与えられてないし、魔法が切れたら……何か……なんとかしないと……」
「……………………」
うめが、どうすべきかを必死で考えている。
高士が、あんなでかいのに当て身をかましてくれた。
母が、死を覚悟して囮になろうとした。
そして、シーバリウがあの化け物と戦っている。
――私は、私はッ!!
「え………………あ”、痛、あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」
うめが足を押さえて声にならない悲鳴を上げる。
「うめ、うめっ!!」
なんで、私は声しか掛けられないのッ!!