高士の攻撃は、気を引きつける役目は果たしていた。
「紫恋!!」
石人のリーチの外を回ってうめが猛スピードで駆けてくる。
「ラピュタやるよ、ラピュタ!」
「へ? ……ごふっ」
その猛スピードのまま紫恋を抱きかかえ、走り去る。
「……あんた、もう少し手加減しなさいよ」
「そんなこと言ってるばあッ」
突然地面が割れ二人が跳ね上げられる。石人の腕が地面を砕いていた。
「っ、見えなかった……」
うめは紫恋を抱えたままバランスを取り、本殿に着地する。
「はぁっ!!」
石人の背へと高士が踏み込み、当て身を足に入れる。
当てると同時に、退く。鼻先を石人の手が掠め、暴風に押されてさらに距離が開く。
「やっぱり距離を取っておけば」
とうめが言い終える前に石人は二歩進み腕を振り本殿の床を打ち砕く。
「……え?」
その、動作で言えば3モーションの動きさえも、うめは反応することができなかった。崩れる床を、なんとか跳ね上がる。
鞭のように頭部の石片が伸び、うめの足を絡め取る。
「!!」
それは音と共に振られ、放り投げられた二人は鳥居側の地面を跳ねる。
「う……げほっ、げほっ」
背中を強く打ち、紫恋はむせていた。
「大丈夫? 紫恋」
「う、うん……え、うめ、ちょっと!」
「え?」
紫恋は狼狽する。うめの右足は、あり得ない形状にねじり上げられていた。
「そ、そんな……」
「ごめん、ちょっと走れそうにないかも。私置いて逃げて」
「な……何言ってるのよ!! だいたいなんで私なんか助けに来たのよ!!」
「紫恋、王子にえっちなことしたでしょ」
「え”」
「それ怒りに来た。まぁ怒るのは後にするから、とりあえず逃げないといけないんだけど。あ、紫恋だけ逃げたら怒れないか」
「……なんでそんなに冷静なのよ」
「だって、身体強化で痛みが抑えられてるし、それに」
「それに?」
「王子様は、ちゃーんと助けに来てくれるんだから」
うめは、空を指さした。
「紫恋!!」
石人のリーチの外を回ってうめが猛スピードで駆けてくる。
「ラピュタやるよ、ラピュタ!」
「へ? ……ごふっ」
その猛スピードのまま紫恋を抱きかかえ、走り去る。
「……あんた、もう少し手加減しなさいよ」
「そんなこと言ってるばあッ」
突然地面が割れ二人が跳ね上げられる。石人の腕が地面を砕いていた。
「っ、見えなかった……」
うめは紫恋を抱えたままバランスを取り、本殿に着地する。
「はぁっ!!」
石人の背へと高士が踏み込み、当て身を足に入れる。
当てると同時に、退く。鼻先を石人の手が掠め、暴風に押されてさらに距離が開く。
「やっぱり距離を取っておけば」
とうめが言い終える前に石人は二歩進み腕を振り本殿の床を打ち砕く。
「……え?」
その、動作で言えば3モーションの動きさえも、うめは反応することができなかった。崩れる床を、なんとか跳ね上がる。
鞭のように頭部の石片が伸び、うめの足を絡め取る。
「!!」
それは音と共に振られ、放り投げられた二人は鳥居側の地面を跳ねる。
「う……げほっ、げほっ」
背中を強く打ち、紫恋はむせていた。
「大丈夫? 紫恋」
「う、うん……え、うめ、ちょっと!」
「え?」
紫恋は狼狽する。うめの右足は、あり得ない形状にねじり上げられていた。
「そ、そんな……」
「ごめん、ちょっと走れそうにないかも。私置いて逃げて」
「な……何言ってるのよ!! だいたいなんで私なんか助けに来たのよ!!」
「紫恋、王子にえっちなことしたでしょ」
「え”」
「それ怒りに来た。まぁ怒るのは後にするから、とりあえず逃げないといけないんだけど。あ、紫恋だけ逃げたら怒れないか」
「……なんでそんなに冷静なのよ」
「だって、身体強化で痛みが抑えられてるし、それに」
「それに?」
「王子様は、ちゃーんと助けに来てくれるんだから」
うめは、空を指さした。