「あの、そろそろ……」
看護師からの言葉に、ジャージは顔を上げる。
「もうそんな時間?」
時計を見ると、面会時間は終わろうとしていた。
「じゃあシーバリウ、また明日ね。明日は紫恋も来るから」
上半分だけが透明のカプセル、その中に満たされた溶液の中にシーバリウはたゆたっていた。
その瞳は、閉じたまま。
「ちょっとよろしいかしら」
初老の女性が眼鏡を掛け直しながらジャージを引き留める。白衣を着て、胸には「魔力内科」のパス。
「今はあなたが一番来てくださるから、訊いておきたくて」
部屋を移して、女医がジャージに訊く。
「シーバリウさんのご両親からは?」
「いえ、まだ……」
って言っても、連絡はしてないんだけど。「味方」に直接連絡が取れるならいいんだけど、そうでないなら最悪、暗殺されかねないし……。
「シーバリウ、まだ治らないんですか?」
「治るわよ、今すぐにでも」
「え?」
それは、笑顔と疑問の入り交じった表情。
「検査の結果が出たわ。彼の魔力はエミルレーベのゴナツ神を借威するもの、しかもその順位はかなりの高位」
ちらとジャージを見て、再びカルテに目を戻す。
「許容量を6%超えたことによる違反症だけど、彼自身相当な鍛錬をしているから体が魔力許容量違反症にある程度慣れているし、契約で魔法力もすでに回復しているから。ただ」
「……だた?」
「私達医者がこの症状を改善するためには、違反を取り消すためのリセットをする必要があるわ。でも彼は未成年だから、そのためにご両親の同意が必要なのよ。契約条件によっては、リセットが原因で魔法を一時的に失効することもあるし」
「そうなんですか……」
「でもそのリセットはこちらで強制的にするもので、数日待てば自然に目を覚ますと思うわ。それを待ってもいいんだけど」
「そうですか……申し訳ありませんが、その方向でお願いします」
「わかったわ。……差し支えなければ、彼との関係を教えて頂けます?」
「えっと……友人、です」
「友人ねぇ」
からかうように笑う女医。ジャージは、顔を赤らめていることを自覚していた。
何意識してるのよ、私……。
看護師からの言葉に、ジャージは顔を上げる。
「もうそんな時間?」
時計を見ると、面会時間は終わろうとしていた。
「じゃあシーバリウ、また明日ね。明日は紫恋も来るから」
上半分だけが透明のカプセル、その中に満たされた溶液の中にシーバリウはたゆたっていた。
その瞳は、閉じたまま。
「ちょっとよろしいかしら」
初老の女性が眼鏡を掛け直しながらジャージを引き留める。白衣を着て、胸には「魔力内科」のパス。
「今はあなたが一番来てくださるから、訊いておきたくて」
部屋を移して、女医がジャージに訊く。
「シーバリウさんのご両親からは?」
「いえ、まだ……」
って言っても、連絡はしてないんだけど。「味方」に直接連絡が取れるならいいんだけど、そうでないなら最悪、暗殺されかねないし……。
「シーバリウ、まだ治らないんですか?」
「治るわよ、今すぐにでも」
「え?」
それは、笑顔と疑問の入り交じった表情。
「検査の結果が出たわ。彼の魔力はエミルレーベのゴナツ神を借威するもの、しかもその順位はかなりの高位」
ちらとジャージを見て、再びカルテに目を戻す。
「許容量を6%超えたことによる違反症だけど、彼自身相当な鍛錬をしているから体が魔力許容量違反症にある程度慣れているし、契約で魔法力もすでに回復しているから。ただ」
「……だた?」
「私達医者がこの症状を改善するためには、違反を取り消すためのリセットをする必要があるわ。でも彼は未成年だから、そのためにご両親の同意が必要なのよ。契約条件によっては、リセットが原因で魔法を一時的に失効することもあるし」
「そうなんですか……」
「でもそのリセットはこちらで強制的にするもので、数日待てば自然に目を覚ますと思うわ。それを待ってもいいんだけど」
「そうですか……申し訳ありませんが、その方向でお願いします」
「わかったわ。……差し支えなければ、彼との関係を教えて頂けます?」
「えっと……友人、です」
「友人ねぇ」
からかうように笑う女医。ジャージは、顔を赤らめていることを自覚していた。
何意識してるのよ、私……。