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Machician - 第8話 アイとコイと (23)
「大丈夫ですか?」
 紫恋が心配そうにはこねに声を掛ける。でも、うめをおぶって昇りきった彼女の笑顔には汗ひとつなかった。
うめもこのくらいできるようになるんだ。学校から帰るときに毎日おんぶしてもらおうかな」
「うわ最悪ー」
 昇りきると、高士むらさきもいた。ちなみに神主とまだ残って酒を飲んでいた。
「どしたの?」
「ううん、ちゃんと言っておきたくて」
「?」
「俺達も手伝うから」
 高士が、はっきりと伝える。
「当事者だから当然ですけど。早速書庫を見てみますね、何か書かれているかもしれませんし」
「うん。ママ、私も手伝うからね?」
 ぎゅっと、背中を抱きしめる。
「……ずるいんだから」
 はこねは笑顔で溜息をつく。
「絶対に、危険なことはしちゃ駄目だからね。あなた達も」
 と、紫恋高士にも釘を刺す。
「そうよ、特に高士
「え、俺?」
 続けてむらさき高士に釘を刺す。
「あんたは結構無茶しちゃう方なんだから、ちゃんと自分をセーブしなさい」
「……」
「ま、私が代わりにがんばるから。魔法も使えるようになったし」
「まだ飛べるだけだけどね」
「そんなことないって」
 と、紫恋はシャツを脱いでブラだけになる。
「ちょ、姉さん!」
「いいじゃん、あんた以外みんな女なんだし」
「俺の立場は……」
「えっと……白糸紡ぎし、風の絹。纏いし我が身、藍の空へと
 その声と共に背に羽が生まれる。それは神々しく輝き夜空を照らす。
「すごい……」
「飛べるだけじゃないんだって。この状態だと魔法のことがだいぶわかるようになるし、たとえばシーバリウの場所とかも」
 紫恋の視線が、上空へと向けられる。
「? 空にいるの?」
「……」
 紫恋の視線は、空へと釘付けになる。
「……なに? なんなのこの感覚……」
『皆さん聞こえますか! 早くその場から逃げてください!!』
 その場にいる全員にシーバリウの声が聞こえたとき、それは、羽の光に照らされ現れた。
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