『……え……』
惚けた声しか、出るはずが、なかった。
ワースの3人は、リングガンを降ろした。
「効いた!!」
スイッチを入れ、ハッチを閉じ、閉じきった瞬間ワースの3人を轢く。ワースを踏み越え、装甲多脚が揺れる度に、ジャージは歯を食いしばる。
でも。
シーバリウはもうすぐそこに!
『なんだ……どういうこ……!!!!??ッ』
デルタ01の意識が、飛ぶ。
それは、我を失う激痛。外部によるものではなく、内部によるもの。
『う”……あ”、強制リセットしたのか……!』
薬物注入、意識が鮮明になり、状況を一瞬で把握。リングガンを上げる。
「!?」
レバーを傾け射線から逸れる。地面から火花が上がる。
『アルファ02、ブラボー01、ブラボー04、強制リセット。ブラボー01、追従射撃開始。FCSメニュー、トラッキングオート、対象、自走兵器』
デルタ01のリングガンが装甲多脚を追う。デルタ01とシーバリウを中心点にするように大きく円を描く装甲多脚を、忠実に銃口が追い、音もなく弾丸が射出。
「!!」
装甲多脚の左側面に数百の弾丸が命中、一瞬にして左中足が砕け散る。
「まだ4本ある!!」
前傾する車体をドリフトさせて方向転換、右側面が向くようにする。
デルタ01に続いて、ワースの1人が狙い、トリガーを押す。装甲多脚前部上面が、夕立の地面のように火のしぶきが上がる。
「ひっ、死ぬ、死ぬ!!」
弾丸の何発かは、特に厚い前部装甲を貫通してシート後ろに達していた。
それでも。
モニターの隅にシーバリウを捉えて。
「死ぬって言ってるでしょ!!」
レバーを傾けるその手を決して緩めない。
踏みつけたワース3人がむくりと立ち上がり、リングガンを向ける。装甲多脚の左腕が、跳ね飛ぶ。
「か、片腕くらい!」
右前足からも火花が上がる。関節部の部品が飛び散っていき、前足が外れ、落ちる。
落ちた右前足を、すぐ後ろの右中足が踏み付ける。
「な」
右前足の残骸に乗り上げ車体は大きく左に傾く。その左側面は左後足が残るだけ、その足に全体重が掛かり、自重で砕ける。
「そんな――!っ、!っ」
装甲多脚が腹から落ち、パイロットシートのカバーも地面に擦れ、その度にジャージの体が跳ねる。
それでも。
「起きて、起きてよシーバリウッ!!」
呼び掛ける声が休むことはなかった。
惚けた声しか、出るはずが、なかった。
ワースの3人は、リングガンを降ろした。
「効いた!!」
スイッチを入れ、ハッチを閉じ、閉じきった瞬間ワースの3人を轢く。ワースを踏み越え、装甲多脚が揺れる度に、ジャージは歯を食いしばる。
でも。
シーバリウはもうすぐそこに!
『なんだ……どういうこ……!!!!??ッ』
デルタ01の意識が、飛ぶ。
それは、我を失う激痛。外部によるものではなく、内部によるもの。
『う”……あ”、強制リセットしたのか……!』
薬物注入、意識が鮮明になり、状況を一瞬で把握。リングガンを上げる。
「!?」
レバーを傾け射線から逸れる。地面から火花が上がる。
『アルファ02、ブラボー01、ブラボー04、強制リセット。ブラボー01、追従射撃開始。FCSメニュー、トラッキングオート、対象、自走兵器』
デルタ01のリングガンが装甲多脚を追う。デルタ01とシーバリウを中心点にするように大きく円を描く装甲多脚を、忠実に銃口が追い、音もなく弾丸が射出。
「!!」
装甲多脚の左側面に数百の弾丸が命中、一瞬にして左中足が砕け散る。
「まだ4本ある!!」
前傾する車体をドリフトさせて方向転換、右側面が向くようにする。
デルタ01に続いて、ワースの1人が狙い、トリガーを押す。装甲多脚前部上面が、夕立の地面のように火のしぶきが上がる。
「ひっ、死ぬ、死ぬ!!」
弾丸の何発かは、特に厚い前部装甲を貫通してシート後ろに達していた。
それでも。
モニターの隅にシーバリウを捉えて。
「死ぬって言ってるでしょ!!」
レバーを傾けるその手を決して緩めない。
踏みつけたワース3人がむくりと立ち上がり、リングガンを向ける。装甲多脚の左腕が、跳ね飛ぶ。
「か、片腕くらい!」
右前足からも火花が上がる。関節部の部品が飛び散っていき、前足が外れ、落ちる。
落ちた右前足を、すぐ後ろの右中足が踏み付ける。
「な」
右前足の残骸に乗り上げ車体は大きく左に傾く。その左側面は左後足が残るだけ、その足に全体重が掛かり、自重で砕ける。
「そんな――!っ、!っ」
装甲多脚が腹から落ち、パイロットシートのカバーも地面に擦れ、その度にジャージの体が跳ねる。
それでも。
「起きて、起きてよシーバリウッ!!」
呼び掛ける声が休むことはなかった。