『まだ動くのか』
装甲多脚は腹を地面に擦るようにして、右中足と右後足だけで走る。それは速いとは言えなかったが、シーバリウに確実に迫っていた。
『全員、射撃止め』
そして、デルタ01は体を地面に伏せる。
「え……」
ジャージの視線の先に、デルタ01が構えるリングガンの銃口が、あった。
リングガンの銃口が、ジャージの視線と合う。
「!!」
咄嗟にレバーを傾ける。
左腕が、飛んだ。
肩から、ちぎれた。
意識が、切れる。
え。
消えたはずの意識の中で、血飛沫を上げながら、コクピットシートの中を跳ねる左腕を、眺めていた。
左腕で良かった。
だって。
今はもう右側の足しか残ってないから。
右腕さえ残っていれば、操作できる。
そして意識が戻る。
「!!!」
激痛。
左腕は、やはり、なかった。
その事実と、顔を体を濡らす大量の血に意識を失いそうになる。
でも。
耐えろ!
耐えろ!!
シーバリウが目の前にいるの!!
涙が溢れる。
唇を噛む。
シーバリウ、あんたは絶対に助ける!!
レバーを傾ける。
2発目の銃弾は、頬をかすめ、電送系に直撃、ゴーグル内のウィンドウ3つが同時に落ちる。
だが。
シーバリウの姿は見えていた。
シーバリウの姿が、浮かんでいた。
一緒に魔法の事を話した。
魔法を見せると、感心していた。
シーバリウの手を握った。
シーバリウの笑顔が忘れられない。
シーバリウの泣きそうな笑顔が、忘れられない!
「あんたをもう、悲しませたくなんか、ないのよ!!!!」
装甲多脚は腹を地面に擦るようにして、右中足と右後足だけで走る。それは速いとは言えなかったが、シーバリウに確実に迫っていた。
『全員、射撃止め』
そして、デルタ01は体を地面に伏せる。
「え……」
ジャージの視線の先に、デルタ01が構えるリングガンの銃口が、あった。
リングガンの銃口が、ジャージの視線と合う。
「!!」
咄嗟にレバーを傾ける。
左腕が、飛んだ。
肩から、ちぎれた。
意識が、切れる。
え。
消えたはずの意識の中で、血飛沫を上げながら、コクピットシートの中を跳ねる左腕を、眺めていた。
左腕で良かった。
だって。
今はもう右側の足しか残ってないから。
右腕さえ残っていれば、操作できる。
そして意識が戻る。
「!!!」
激痛。
左腕は、やはり、なかった。
その事実と、顔を体を濡らす大量の血に意識を失いそうになる。
でも。
耐えろ!
耐えろ!!
シーバリウが目の前にいるの!!
涙が溢れる。
唇を噛む。
シーバリウ、あんたは絶対に助ける!!
レバーを傾ける。
2発目の銃弾は、頬をかすめ、電送系に直撃、ゴーグル内のウィンドウ3つが同時に落ちる。
だが。
シーバリウの姿は見えていた。
シーバリウの姿が、浮かんでいた。
一緒に魔法の事を話した。
魔法を見せると、感心していた。
シーバリウの手を握った。
シーバリウの笑顔が忘れられない。
シーバリウの泣きそうな笑顔が、忘れられない!
「あんたをもう、悲しませたくなんか、ないのよ!!!!」