「ジャージさん!!」
ガナーシートからの狭い通路を降りると、足下にぬかるみ。
それは、血溜り。左腕はなく、肩口のちぎれた筋肉から白い骨が見え隠れしている。
『イルフ・リツ・バ・アルツィズィード! 』
シーバリウの手に持つジャージの左腕が消え、ジャージの左腕が再成し、血溜りが消え、ジャージが息をつく。
「ありがと……」
「まだ寝ていてください、これは僕が操縦します」
「クラス違反よ。それに、まだ……うっ!」
「!!」
装甲多脚に振動。
「なんです!?」
「撃たれてる」
ジャージは頭を振り回して無理矢理意識を覚醒させる。オートパイロットを解除し、2本のレバーを再び握る。
「ここは体を固定できないし、モニターも壊れてるから上に上がってて」
シーバリウはガナーシートに戻り、シートに座る。前面のモニターが点く。
「ルートは?」
ふたりの頭に地域のイメージが浮かぶ。
「ルートなんてないわよ、足は右側ふたつだけ」
「右に曲がれない……」
「そゆこと。しかも腹を擦ってるからえっ!?」
視界が、飛ぶ。
「ジャージさん、周りが見えません!」
「スモーク! イレイサーなんて積んでないわよ!!」
「僕が魔法で吹き飛ばします!」
「え、ちょっと!」
スイッチを入れ、ガナーシートを開く。上部の長方形のハッチが上へと持ち上がり、
「!!」
すぐにスイッチを入れ替えて、ガナーシートを閉じる。
「どうしたの!? まさか毒ガス!?」
「いえ……スモークって、いろんな種類があるんですよね」
「そうよ」
「……強い抗魔法力を感じました」
「対魔法用!? ……! 錦さん、神主さん、聞こえます!?」
声は、届かない。
「連絡が取れない……ッ!!!」
シーバリウの体が投げ出される。木に衝突し、装甲多脚が前につんのめり、逆立ちする。元に戻るときに車体が跳ね、残った2脚が衝撃で歪む。
ガナーシートからの狭い通路を降りると、足下にぬかるみ。
それは、血溜り。左腕はなく、肩口のちぎれた筋肉から白い骨が見え隠れしている。
『
シーバリウの手に持つジャージの左腕が消え、ジャージの左腕が再成し、血溜りが消え、ジャージが息をつく。
「ありがと……」
「まだ寝ていてください、これは僕が操縦します」
「クラス違反よ。それに、まだ……うっ!」
「!!」
装甲多脚に振動。
「なんです!?」
「撃たれてる」
ジャージは頭を振り回して無理矢理意識を覚醒させる。オートパイロットを解除し、2本のレバーを再び握る。
「ここは体を固定できないし、モニターも壊れてるから上に上がってて」
シーバリウはガナーシートに戻り、シートに座る。前面のモニターが点く。
「ルートは?」
ふたりの頭に地域のイメージが浮かぶ。
「ルートなんてないわよ、足は右側ふたつだけ」
「右に曲がれない……」
「そゆこと。しかも腹を擦ってるからえっ!?」
視界が、飛ぶ。
「ジャージさん、周りが見えません!」
「スモーク! イレイサーなんて積んでないわよ!!」
「僕が魔法で吹き飛ばします!」
「え、ちょっと!」
スイッチを入れ、ガナーシートを開く。上部の長方形のハッチが上へと持ち上がり、
「!!」
すぐにスイッチを入れ替えて、ガナーシートを閉じる。
「どうしたの!? まさか毒ガス!?」
「いえ……スモークって、いろんな種類があるんですよね」
「そうよ」
「……強い抗魔法力を感じました」
「対魔法用!? ……! 錦さん、神主さん、聞こえます!?」
声は、届かない。
「連絡が取れない……ッ!!!」
シーバリウの体が投げ出される。木に衝突し、装甲多脚が前につんのめり、逆立ちする。元に戻るときに車体が跳ね、残った2脚が衝撃で歪む。