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Machician - 第9話 君がそこにいるから (17)
『起きて、シーバリウ!』
 体が痛い。
 息が苦しい。
 目眩がする。
 吐き気がする。
シーバリウ!!』
 僕を呼ぶ声がする。
 ……なんで、僕を頼ろうとするんです?
 僕はこんなぼろぼろなのに。
 僕はみんなを助けようとしたんですよ。
 でも、僕は誰にも助けてもらってない。
 僕はいつもひとりぼっちなのに。
 父さんも。
 ウムリルも。
 うめさんも。
 紫恋さんも。
 ジャージさんも。
シーバリウ、目を覚まして!!』
 ……ジャージさんの、声?
 温もり。
 まるで、今、手を握られていたかのような、錯覚。
 私は、シーバリウの側にいるよ。
 ジャージの笑みが浮かぶ。
 その周りに、うめの笑顔が、紫恋の笑顔が、みんなの笑顔が、浮かぶ。
 そうだ、僕は、この人達のために、この笑顔を守りたいから。
『あんたをもう、悲しませたくなんか、ないのよ!!!!』
 そうだ!
 僕はもう、あんな悲しい思いはしたくない!!
 だから――
『アルツィフォート!!』
 シーバリウの体を光が包み、瞬時に体を起こし、周りを見回す。
 至近に敵、ワース1人。
 左に装甲多脚、接近中、右腕を上げつつある
シーバリウ!』
ジャージさん!!」
『!?』
 すぐ側のワースが、ゆっくりと振り向く、それよりも速く踏み込み、剣を振り、剣は脇腹を薙いで、銀と赤の液体を噴き出させる。
『な……』
シーバリウ、乗って!』
「はい!」
 シーバリウが跳ぶ。装甲多脚の手が掴み、そして装甲多脚は走り去っていった。
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