「シーバリウ……?」
「嫌です! 僕はジャージさんを失いたくなんてないんです!!」
泣いているのか、それとも血が流れているのか、そんなことは分からない。
それでも、ジャージは手を伸ばして、シーバリウの頬を撫でた。
シーバリウも、ジャージの頬を撫でようとする。
「あ……うん、暗闇なら見えないからいっか」
ジャージは、ゴーグルを外す。
「ジャージ、さん?」
「見えてないよね」
「……はい。でも」
シーバリウの手が、ジャージの頬を撫でる。
「ジャージさんの顔は、優しい顔をしているように感じます」
「外内真美 」
「とうち……?」
「私の名前。この名前、他の人に言っちゃ駄目だからね、実は有名人だから」
「有名人なんですか……でも僕は知りません。僕にとってはジャージ……いえ」
シーバリウは、笑んで、言う。
「真美は、真美です」
「シーバリウ……」
ジャージも笑みを返して。
「私、多分きっと、あなたのことが」
振動。
「!!」
「ッ!!」
再度の砲撃。
「あっ……ギャアアアアア!」
「――――」
目の前で。
シーバリウの目の前で、
赤い雨が降り注ぎ。
ジャージの背中に降り注ぎ。
「あ、あ、あ!!」
焼け焦げる臭い、肉の焼ける臭い、死をもたらす臭い!!
『イルフ・リツ・バ・アル』
その口を、何かが塞いだ。
「え……」
「う、うるさ、うるさい……」
声にならない声が、機能していない肺から、かろうじて吹き出る。
「呪文、唱えちゃ、だめ、魔法力、が」
「でも、でも!」
「落ち着きなさい、シーバリウ!!」
ジャージは力強く、言い聞かせた。
「……」
シーバリウは、魔法を唱えるのを止める。伸ばした手に、ジャージも手を絡める。
その絡めた手で、ジャージは、中指を、とん、とん、とん、とん、とん、と、一秒毎に叩いた。
「嫌です! 僕はジャージさんを失いたくなんてないんです!!」
泣いているのか、それとも血が流れているのか、そんなことは分からない。
それでも、ジャージは手を伸ばして、シーバリウの頬を撫でた。
シーバリウも、ジャージの頬を撫でようとする。
「あ……うん、暗闇なら見えないからいっか」
ジャージは、ゴーグルを外す。
「ジャージ、さん?」
「見えてないよね」
「……はい。でも」
シーバリウの手が、ジャージの頬を撫でる。
「ジャージさんの顔は、優しい顔をしているように感じます」
「
「とうち……?」
「私の名前。この名前、他の人に言っちゃ駄目だからね、実は有名人だから」
「有名人なんですか……でも僕は知りません。僕にとってはジャージ……いえ」
シーバリウは、笑んで、言う。
「真美は、真美です」
「シーバリウ……」
ジャージも笑みを返して。
「私、多分きっと、あなたのことが」
振動。
「!!」
「ッ!!」
再度の砲撃。
「あっ……ギャアアアアア!」
「――――」
目の前で。
シーバリウの目の前で、
赤い雨が降り注ぎ。
ジャージの背中に降り注ぎ。
「あ、あ、あ!!」
焼け焦げる臭い、肉の焼ける臭い、死をもたらす臭い!!
『イルフ・リツ・バ・アル』
その口を、何かが塞いだ。
「え……」
「う、うるさ、うるさい……」
声にならない声が、機能していない肺から、かろうじて吹き出る。
「呪文、唱えちゃ、だめ、魔法力、が」
「でも、でも!」
「落ち着きなさい、シーバリウ!!」
ジャージは力強く、言い聞かせた。
「……」
シーバリウは、魔法を唱えるのを止める。伸ばした手に、ジャージも手を絡める。
その絡めた手で、ジャージは、中指を、とん、とん、とん、とん、とん、と、一秒毎に叩いた。