「!!!!!」
それは。
神話に出てくる雷の神が振り降ろした、巨大な槌による一追であるかのように。
轟音と共に装甲多脚が跳ね上がり、その後部を砕く。シーバリウ達は必死に体を固定する中で、ガナーシートの後ろから猛烈な火花が上げるのを見た。
「ッ、ヒッ!ぃッ」
「!? シーバリウ!」
声にならない悲鳴を上げて、シーバリウが仰け反る。
装甲多脚の跳ねが収まる前に再び轟音が鳴り響く。上空の機花からの火線、稲妻の如きそれは装甲多脚の背面を貫き、飛び散る火花が装甲と地面を跳ね回る。
「う”、う”」
「シーバリウ、大丈夫!? どこか撃たれたの!?」
「だ、大丈夫です……」
「え」
シーバリウが、左手を伸ばす。ジャージの方へと、手を伸ばす。
「ここだよ」
それを感じて、ジャージが右手で握り返すと。シーバリウは強く引き寄せて、抱きしめる。
「……シーバリウ?」
『フィルツィウォード!』
シーバリウの魔法と共に、再び二人の周りに風が生まれる。
『アーツィガーナ!』
ジャージは、高揚感を感じる。
「身体強化魔法……! シーバリウ!!」
ジャージは、後頭部に、暖かいものを感じた。
それは、シーバリウの、血。
「ま”、まだっ!」
シーバリウは上を見上げる。見えるはずのない、機花の方向を。
「駄目、シーバリウやめて!! 魔法力オーバーしてるんでしょ!?」
「嫌です!!」
その方向へと手をかざし、唱える。
『ディルツィガイギス!!』
装甲多脚の表面、機花が直接見える面、そこから、炎の渦が立ち登り、機花へと向かう。同時に機花からの砲撃、その光の弾丸が炎へと直撃し、空中で爆散する。
ごふ、と、口から、血を吐いた。
「し、シーバリウ!」
ジャージの目から涙がこぼれる。
「なんで! やめてよお願いだから!」
「嫌です、嫌なんです!!」
「!?」
「僕は!」
両の手で、ジャージを抱き寄せる。
「僕はあなたを助けたいんです!! ジャージさん、あなたを!」
それは。
神話に出てくる雷の神が振り降ろした、巨大な槌による一追であるかのように。
轟音と共に装甲多脚が跳ね上がり、その後部を砕く。シーバリウ達は必死に体を固定する中で、ガナーシートの後ろから猛烈な火花が上げるのを見た。
「ッ、ヒッ!ぃッ」
「!? シーバリウ!」
声にならない悲鳴を上げて、シーバリウが仰け反る。
装甲多脚の跳ねが収まる前に再び轟音が鳴り響く。上空の機花からの火線、稲妻の如きそれは装甲多脚の背面を貫き、飛び散る火花が装甲と地面を跳ね回る。
「う”、う”」
「シーバリウ、大丈夫!? どこか撃たれたの!?」
「だ、大丈夫です……」
「え」
シーバリウが、左手を伸ばす。ジャージの方へと、手を伸ばす。
「ここだよ」
それを感じて、ジャージが右手で握り返すと。シーバリウは強く引き寄せて、抱きしめる。
「……シーバリウ?」
『フィルツィウォード!』
シーバリウの魔法と共に、再び二人の周りに風が生まれる。
『アーツィガーナ!』
ジャージは、高揚感を感じる。
「身体強化魔法……! シーバリウ!!」
ジャージは、後頭部に、暖かいものを感じた。
それは、シーバリウの、血。
「ま”、まだっ!」
シーバリウは上を見上げる。見えるはずのない、機花の方向を。
「駄目、シーバリウやめて!! 魔法力オーバーしてるんでしょ!?」
「嫌です!!」
その方向へと手をかざし、唱える。
『ディルツィガイギス!!』
装甲多脚の表面、機花が直接見える面、そこから、炎の渦が立ち登り、機花へと向かう。同時に機花からの砲撃、その光の弾丸が炎へと直撃し、空中で爆散する。
ごふ、と、口から、血を吐いた。
「し、シーバリウ!」
ジャージの目から涙がこぼれる。
「なんで! やめてよお願いだから!」
「嫌です、嫌なんです!!」
「!?」
「僕は!」
両の手で、ジャージを抱き寄せる。
「僕はあなたを助けたいんです!! ジャージさん、あなたを!」