「……あれ?」
気付くと。
野原の上で、ジャージは寝ていた。
「真美……さん?」
一瞬、声のした方を向く。
シーバリウがいた。
そのシーバリウの目が。
あり得ないものを、見て。
「あっ、見ないで!!」
慌てて顔を背け、ゴーグルを掛ける。
「いいかな」
誰でもない声に、ふたりは見上げる。
そこには、調停委員会、ウィルゴが立っていた。
「あ……助けてくれたんですか?」
「ああ。傷は治しておいた。シーバリウ君の魔法力も回復しておいた」
「間に合ったんですね……」
「君達の努力の結果だ」
決して笑みは浮かべなかったが、その声は、暖かかった。
「君達はもう大丈夫だろう。私は敵部隊を回収する。もう彼らがここを襲うことはない。他の組織も、決してここを襲わないようにする。調停委員会の名において、約束する」
「……信じます。私達を助けてくれた、あなたを」
ウィルゴは背を向け、何も答えず、消えた。
「最後まで無愛想だったね」
と、気の抜けた笑顔でシーバリウへと振り向くと、シーバリウは、目を逸らしていた。
「……見ちゃったんだ……」
「おーい、ウィルゴ! 聞こえてるの? ウィルゴナツィア!!」
「聞こえている」
ぼうとフィオの側に現れ、その右手には10人近いワース。
「ねー、チームなんだからも少し仲良くしようよ」
「仕事はしているつもりだが」
「そういう問題じゃないでしょ?」
口喧嘩を諦めて、フィオは林の方を見る。
「あの子達は?」
「彼の地での……知り合いだ。そしていつか、彼の地をしょって立つ事になるだろう」
「何それ、ネイスィが言ったの?」
「いや」
ウィルゴは目を閉じて、笑む。
「私の、希望だ」
続く。
気付くと。
野原の上で、ジャージは寝ていた。
「真美……さん?」
一瞬、声のした方を向く。
シーバリウがいた。
そのシーバリウの目が。
あり得ないものを、見て。
「あっ、見ないで!!」
慌てて顔を背け、ゴーグルを掛ける。
「いいかな」
誰でもない声に、ふたりは見上げる。
そこには、調停委員会、ウィルゴが立っていた。
「あ……助けてくれたんですか?」
「ああ。傷は治しておいた。シーバリウ君の魔法力も回復しておいた」
「間に合ったんですね……」
「君達の努力の結果だ」
決して笑みは浮かべなかったが、その声は、暖かかった。
「君達はもう大丈夫だろう。私は敵部隊を回収する。もう彼らがここを襲うことはない。他の組織も、決してここを襲わないようにする。調停委員会の名において、約束する」
「……信じます。私達を助けてくれた、あなたを」
ウィルゴは背を向け、何も答えず、消えた。
「最後まで無愛想だったね」
と、気の抜けた笑顔でシーバリウへと振り向くと、シーバリウは、目を逸らしていた。
「……見ちゃったんだ……」
「おーい、ウィルゴ! 聞こえてるの? ウィルゴナツィア!!」
「聞こえている」
ぼうとフィオの側に現れ、その右手には10人近いワース。
「ねー、チームなんだからも少し仲良くしようよ」
「仕事はしているつもりだが」
「そういう問題じゃないでしょ?」
口喧嘩を諦めて、フィオは林の方を見る。
「あの子達は?」
「彼の地での……知り合いだ。そしていつか、彼の地をしょって立つ事になるだろう」
「何それ、ネイスィが言ったの?」
「いや」
ウィルゴは目を閉じて、笑む。
「私の、希望だ」
続く。