「ねー、なんかあの二人、仲いいよね」
「そうー?」
紫恋が話を振っても、うめは石人の方を見ていた。
「うめ、もう王子のこといいの?」
「え?」
と言っても、まだ石人の方を見ている。
「……どうしたの? いったい」
紫恋も石人の方を見る。石人と言っても、それは黒いオブジェとしか見えない。紫恋はその力を何となく感じ取れるが、それと同じものを、うめも感じ取れているとは思えなかった。
「ねー紫恋」
「?」
「あれって、本当に大丈夫かな」
「話が見えないんだけど」
「殴られたら」
一振りで、境内を叩き壊した。
「痛かったよね」
「……足のこと、思い出してるの?」
「……」
うめは体育座りになって、膝を抱える。
「そだね」
紫恋はうめの肩を抱き寄せる。
「大丈夫、私達が何とかするから。うめは病み上がりなんだし、少し休んでていいよ」
「ありがと、紫恋……」
うめが、頭を寄せる。
うめは、ナーバスになっていた。
この前特区に行ったときもちょっと変だったけど、最近、今みたいに元気じゃない時がある。
「大丈夫だよ、うめ」
自分も、頭を寄せる。
そう、私は、側にいる。
私は。
その辛辣な視線は、シーバリウに向けられていた。
「そうー?」
紫恋が話を振っても、うめは石人の方を見ていた。
「うめ、もう王子のこといいの?」
「え?」
と言っても、まだ石人の方を見ている。
「……どうしたの? いったい」
紫恋も石人の方を見る。石人と言っても、それは黒いオブジェとしか見えない。紫恋はその力を何となく感じ取れるが、それと同じものを、うめも感じ取れているとは思えなかった。
「ねー紫恋」
「?」
「あれって、本当に大丈夫かな」
「話が見えないんだけど」
「殴られたら」
一振りで、境内を叩き壊した。
「痛かったよね」
「……足のこと、思い出してるの?」
「……」
うめは体育座りになって、膝を抱える。
「そだね」
紫恋はうめの肩を抱き寄せる。
「大丈夫、私達が何とかするから。うめは病み上がりなんだし、少し休んでていいよ」
「ありがと、紫恋……」
うめが、頭を寄せる。
うめは、ナーバスになっていた。
この前特区に行ったときもちょっと変だったけど、最近、今みたいに元気じゃない時がある。
「大丈夫だよ、うめ」
自分も、頭を寄せる。
そう、私は、側にいる。
私は。
その辛辣な視線は、シーバリウに向けられていた。