「うーん……」
「どうです?」
ジャージの隣で、シーバリウが機械に向かう。ジャージがパネルを撫でると、その上に表示されたコンソールにグラフが表示される。
「かなり封印が弱まっていますね」
「ってゆーか、これって本当? 38番に直結してる」
「魔法用語ではトネバ界と言います。他界との整合性が高いので常時接続に向いているんです」
「つまり向こうの世界に追いやっているわけね」
「一部分だけです。これはここにいて、ちょうどトネバ界で膜のように覆っているんです。ですが整合性に限界が出ていますね」
「そうね……やっぱり」
ジャージが計算結果を指さす。9月1日、深夜0時。
「でも深夜0時なんてきりのいい時間に切れるもんなのかな。魔法ってそういうもの?」
「魔法がではなくて、僕が掛けたからです。今の僕の魔法はこちらの時間に合わせていますし、意識はしていなかったのですが、この時間に恐らく一時的に弱まるのでしょう」
「そういうことか……」
ジャージはゆっくりと息を吐く。
「どうされました?」
「時間、なさ過ぎるわよ。調停委員会が来てくれるわけないけど、やっぱHACに頼むか、それともJCTHUに頼むか、私達で何とかするのか」
「……」
黙り込むシーバリウ。
「っ?」
そのシーバリウのおでこを弾く。
「何その、本当なら僕が全て解決しなきゃいけないんだけど、現実的に無理だし、どうしようって顔は」
「あ……」
「も少し頼って欲しいな、私も、みんなも、精神的にも、物理的にも、ね」
と、ジャージは脇に立つそれを叩いた。
それは、体中にハードポイントを装備し、手に杖を持つ、赤い色の、ワースだった。
「どうです?」
ジャージの隣で、シーバリウが機械に向かう。ジャージがパネルを撫でると、その上に表示されたコンソールにグラフが表示される。
「かなり封印が弱まっていますね」
「ってゆーか、これって本当? 38番に直結してる」
「魔法用語ではトネバ界と言います。他界との整合性が高いので常時接続に向いているんです」
「つまり向こうの世界に追いやっているわけね」
「一部分だけです。これはここにいて、ちょうどトネバ界で膜のように覆っているんです。ですが整合性に限界が出ていますね」
「そうね……やっぱり」
ジャージが計算結果を指さす。9月1日、深夜0時。
「でも深夜0時なんてきりのいい時間に切れるもんなのかな。魔法ってそういうもの?」
「魔法がではなくて、僕が掛けたからです。今の僕の魔法はこちらの時間に合わせていますし、意識はしていなかったのですが、この時間に恐らく一時的に弱まるのでしょう」
「そういうことか……」
ジャージはゆっくりと息を吐く。
「どうされました?」
「時間、なさ過ぎるわよ。調停委員会が来てくれるわけないけど、やっぱHACに頼むか、それともJCTHUに頼むか、私達で何とかするのか」
「……」
黙り込むシーバリウ。
「っ?」
そのシーバリウのおでこを弾く。
「何その、本当なら僕が全て解決しなきゃいけないんだけど、現実的に無理だし、どうしようって顔は」
「あ……」
「も少し頼って欲しいな、私も、みんなも、精神的にも、物理的にも、ね」
と、ジャージは脇に立つそれを叩いた。
それは、体中にハードポイントを装備し、手に杖を持つ、赤い色の、ワースだった。