8月27日、昼。
「来ましたか」
待逢神社。
「本当、やっとよ」
白いトラックがバックで近づいてくるのを、シーバリウ、ジャージ、紫恋、うめ、神主、高士が待つ。荷台にはカーキ色のホロが被されていた。
「シーバリウ君、頼めるかね」
「あ、王子、私はいいから」
「私もね」
「はい、分かりました」
ちょうどトラックが止まったときに。
『アーツィガーナ!』
シーバリウは杖を掲げ、魔法を唱える。
「じゃ、まずは設置お願い」
ホロを取り、荷台に積まれた金属の塊を降ろしていく。強化魔法を掛けられた神主と高士、すでにAP化したうめ、そしてシーバリウがそれを下ろし、運ぶ。
運ぶ先は、境内中央。黒く変色し凍り付いた、石人。
「それを円周上に置いていって。とりあえず適当でいいから、微調整は電源入れてからじゃないとできないし」
ジャージが指示を出しつつ、降ろされた機械を手慣れた手つきで配線していく。
シーバリウはその方をちらと見る。
いつも通りの小豆ジャージ、視線の見えないゴーグル。
「王子、よそ見しない」
ぽん、と紫恋が頭を叩く。
「って、紫恋が一番なんもやってないじゃん」
うめのツッコミ。紫恋は確かに、何もせずただうろついているだけだった。
「仕方ないでしょ、王子の魔法、私には効きにくいんだから。空飛ぶ必要があったら私の出番よ」
「あ、じゃあ旅館行ってパン買ってきて」
「パシリかよ」
「ははははは、あ、降ろしますよ」
「うん、………………よいしょ」
うめは、本当に丁寧に、タイミングを合わせて機材を置く。
「なんで強化魔法の人は普通に降ろせるのに、私はできないんだろ」
「強化魔法は単に強化するだけではないですから。この魔法の本質は、伝説の巨人を乗り移らせる、というものなんです」
「動きも授けられるってわけね。ま、仕方ないよ。APは魔法とは違うんだし」
「えー? 魔法じゃなかったの?」
ぶー、とうめは頬を膨らませる。
「来ましたか」
待逢神社。
「本当、やっとよ」
白いトラックがバックで近づいてくるのを、シーバリウ、ジャージ、紫恋、うめ、神主、高士が待つ。荷台にはカーキ色のホロが被されていた。
「シーバリウ君、頼めるかね」
「あ、王子、私はいいから」
「私もね」
「はい、分かりました」
ちょうどトラックが止まったときに。
『アーツィガーナ!』
シーバリウは杖を掲げ、魔法を唱える。
「じゃ、まずは設置お願い」
ホロを取り、荷台に積まれた金属の塊を降ろしていく。強化魔法を掛けられた神主と高士、すでにAP化したうめ、そしてシーバリウがそれを下ろし、運ぶ。
運ぶ先は、境内中央。黒く変色し凍り付いた、石人。
「それを円周上に置いていって。とりあえず適当でいいから、微調整は電源入れてからじゃないとできないし」
ジャージが指示を出しつつ、降ろされた機械を手慣れた手つきで配線していく。
シーバリウはその方をちらと見る。
いつも通りの小豆ジャージ、視線の見えないゴーグル。
「王子、よそ見しない」
ぽん、と紫恋が頭を叩く。
「って、紫恋が一番なんもやってないじゃん」
うめのツッコミ。紫恋は確かに、何もせずただうろついているだけだった。
「仕方ないでしょ、王子の魔法、私には効きにくいんだから。空飛ぶ必要があったら私の出番よ」
「あ、じゃあ旅館行ってパン買ってきて」
「パシリかよ」
「ははははは、あ、降ろしますよ」
「うん、………………よいしょ」
うめは、本当に丁寧に、タイミングを合わせて機材を置く。
「なんで強化魔法の人は普通に降ろせるのに、私はできないんだろ」
「強化魔法は単に強化するだけではないですから。この魔法の本質は、伝説の巨人を乗り移らせる、というものなんです」
「動きも授けられるってわけね。ま、仕方ないよ。APは魔法とは違うんだし」
「えー? 魔法じゃなかったの?」
ぶー、とうめは頬を膨らませる。