「好きなのは手だけ?」
真美は手を握りながら、そう訊く。
「え、そ、そんなことありません! 僕は、……」
シーバリウも少し顔を赤らめて。
「ジャージさんの飾らない、でも優しい話し方が好きです。顔も、やはり美しいと思いますし、それに……」
シーバリウは真美を見つめたまま、必死に次を考える。
「ぷっ」
思わず真美は吹き出してしまう。
「な、なんですか?」
「シーバリウ、」
と、一息ついてから。
「……好き」
「え……」
「好きよ、シーバリウ」
「……」
シーバリウの顔が、急激に赤くなる。
「…………」
「……何だまっちゃって。こういうの慣れてると思ったんだけど」
「慣れてませんよ!」
「!」
「あ、すみません」
思わず声が大きくなった。
「慣れてませんよ……」
「そうなの? うめと付き合ってたんだし、紫恋とも……」
「それとは……別、という感じがします。それに、それを言ったらじ……真美さんだって」
「私は――」
顔を赤らめて横を向く。
「恥ずかしがるのを忘れてただけよ。私だって全然経験ないし。ほら、いつもゴーグル着けてたし、外して人前には出られないし」
「あ……」
「で、でもね!」
ふたたび真美は、シーバリウへと顔を向ける。鼻と鼻が擦れそうな程の、距離。
「シーバリウが魔法を解いてくれたからとか、そういうことじゃないよ! シーバリウはなんていうか……一緒にいて安心できるし、信頼できる。どこか、似ている所があるのかもね」
「似ている所……」
そうだった。
ジャージさんは、僕のことを、誰よりも知っていた。誰よりも理解していた。
だから、僕は魅かれているのかもしれない。
「……ふぅ」
今日三度目の深呼吸をしてから。
「真美」
「え」
シーバリウは、唇を重ねた。
「あ、降りる駅過ぎてた」
「そういえばそうですね……」
「ま、いっか」
続く。
真美は手を握りながら、そう訊く。
「え、そ、そんなことありません! 僕は、……」
シーバリウも少し顔を赤らめて。
「ジャージさんの飾らない、でも優しい話し方が好きです。顔も、やはり美しいと思いますし、それに……」
シーバリウは真美を見つめたまま、必死に次を考える。
「ぷっ」
思わず真美は吹き出してしまう。
「な、なんですか?」
「シーバリウ、」
と、一息ついてから。
「……好き」
「え……」
「好きよ、シーバリウ」
「……」
シーバリウの顔が、急激に赤くなる。
「…………」
「……何だまっちゃって。こういうの慣れてると思ったんだけど」
「慣れてませんよ!」
「!」
「あ、すみません」
思わず声が大きくなった。
「慣れてませんよ……」
「そうなの? うめと付き合ってたんだし、紫恋とも……」
「それとは……別、という感じがします。それに、それを言ったらじ……真美さんだって」
「私は――」
顔を赤らめて横を向く。
「恥ずかしがるのを忘れてただけよ。私だって全然経験ないし。ほら、いつもゴーグル着けてたし、外して人前には出られないし」
「あ……」
「で、でもね!」
ふたたび真美は、シーバリウへと顔を向ける。鼻と鼻が擦れそうな程の、距離。
「シーバリウが魔法を解いてくれたからとか、そういうことじゃないよ! シーバリウはなんていうか……一緒にいて安心できるし、信頼できる。どこか、似ている所があるのかもね」
「似ている所……」
そうだった。
ジャージさんは、僕のことを、誰よりも知っていた。誰よりも理解していた。
だから、僕は魅かれているのかもしれない。
「……ふぅ」
今日三度目の深呼吸をしてから。
「真美」
「え」
シーバリウは、唇を重ねた。
「あ、降りる駅過ぎてた」
「そういえばそうですね……」
「ま、いっか」
続く。