「はぁっ……」
シーバリウの部屋。
ベッドに体を預けて、天井を見る。
「確か、イッパイイッパイって言うんでしたっけ……」
今の状況が、そうかもしれない。
「あれは、僕たちだけじゃ無理だよ」
石人。
彼の地にも、似たような兵器があった。
それは、腕を一振りすれば十の兵が二十になり。
足を振り降ろせば二十の兵が一になり。
「……」
こつん、と頭を叩く。
僕は、剣を交えた。だから、どのくらいの能力か、推し量ることができる。
決して敵わない存在でないことを理解している。
なのに。
「なぜ、こんなにもナーバスなんだろう」
わかっている。
確かに、石人は恐ろしい。
うめさんのことも心配だ。
紫恋さんにああ言われると心許ない。
真美との関係をどうするかも考えないといけない。
でも。
それ以上に……。
指をくいと曲げる。四角い携帯端末が、机の上から飛んでくる。それを取り、メールを選択して表示する。
9月10日。
HACからのメールには、次回、彼の地への門が開くのは、9月10日午前10時から午後3時、と書かれていた。
それが、タイムリミット。
「…………」
端末の電源を切り、手を下ろす。そのまま、ベッドのシーツを撫でる。
この寝床、この感触とももう分かれることになる。
そして、待っているのは……。
ここは、居心地が良すぎた。
みんなと一緒にいたかった。
ここにいる間は、故郷のことを忘れることができた。
「…………」
良からぬことさえ、考えてしまう。
今は、その考えを止めたくない。
なら、そのまま寝てしまおう。
夢の中なら、その不謹慎な空想も、許されるはずだから――。
シーバリウの部屋。
ベッドに体を預けて、天井を見る。
「確か、イッパイイッパイって言うんでしたっけ……」
今の状況が、そうかもしれない。
「あれは、僕たちだけじゃ無理だよ」
石人。
彼の地にも、似たような兵器があった。
それは、腕を一振りすれば十の兵が二十になり。
足を振り降ろせば二十の兵が一になり。
「……」
こつん、と頭を叩く。
僕は、剣を交えた。だから、どのくらいの能力か、推し量ることができる。
決して敵わない存在でないことを理解している。
なのに。
「なぜ、こんなにもナーバスなんだろう」
わかっている。
確かに、石人は恐ろしい。
うめさんのことも心配だ。
紫恋さんにああ言われると心許ない。
真美との関係をどうするかも考えないといけない。
でも。
それ以上に……。
指をくいと曲げる。四角い携帯端末が、机の上から飛んでくる。それを取り、メールを選択して表示する。
9月10日。
HACからのメールには、次回、彼の地への門が開くのは、9月10日午前10時から午後3時、と書かれていた。
それが、タイムリミット。
「…………」
端末の電源を切り、手を下ろす。そのまま、ベッドのシーツを撫でる。
この寝床、この感触とももう分かれることになる。
そして、待っているのは……。
ここは、居心地が良すぎた。
みんなと一緒にいたかった。
ここにいる間は、故郷のことを忘れることができた。
「…………」
良からぬことさえ、考えてしまう。
今は、その考えを止めたくない。
なら、そのまま寝てしまおう。
夢の中なら、その不謹慎な空想も、許されるはずだから――。