「……今は……」
「今はなんとも思ってない?」
「なんともなんて」
「好きじゃない」
「……恋愛感情は、ありません」
「だからって、心配しないっていうのはあんまりじゃない?」
「…………」
「元恋人としても、もっとちゃんとフォローしてあげて。あたしは、王子って振ったらもうサヨナラっていうタイプじゃないって思ってたよ」
「それはもちろん!」
「なら!」
缶をテーブルに叩き置く。
「も――」
そう言いかけて。
シーバリウの強い視線。
「っ……」
わかってるわよ。言い過ぎだって。
「…………大変なのは分かってる。無理にとは言わないから、でも、もう少しうめのこと、気に掛けて」
「……」
シーバリウは、空を仰ぐ。夜空には、星星が瞬いてた。
息を吸って、ゆっくりと、吐く。その澄んだ碧を取り込めば、冷えて醒めることを期待して。
「駄目です」
「――――ッ!」
紫恋が立ち、手を挙げる。
「!?」
が、気付く間もなく脇を通り、シーバリウは背後へと歩いていた。
「僕は、もうすぐここからいなくなるんです。だから」
「だからって!!」
こっち見てよ!
こっち向いてよ!
「……今は、石人の件に集中しましょう、紫恋さん」
そう言い残して、シーバリウは中へと入ってしまう。
「…………」
なんで……。
なんで……なんで、私、泣いてるの……?
「今はなんとも思ってない?」
「なんともなんて」
「好きじゃない」
「……恋愛感情は、ありません」
「だからって、心配しないっていうのはあんまりじゃない?」
「…………」
「元恋人としても、もっとちゃんとフォローしてあげて。あたしは、王子って振ったらもうサヨナラっていうタイプじゃないって思ってたよ」
「それはもちろん!」
「なら!」
缶をテーブルに叩き置く。
「も――」
そう言いかけて。
シーバリウの強い視線。
「っ……」
わかってるわよ。言い過ぎだって。
「…………大変なのは分かってる。無理にとは言わないから、でも、もう少しうめのこと、気に掛けて」
「……」
シーバリウは、空を仰ぐ。夜空には、星星が瞬いてた。
息を吸って、ゆっくりと、吐く。その澄んだ碧を取り込めば、冷えて醒めることを期待して。
「駄目です」
「――――ッ!」
紫恋が立ち、手を挙げる。
「!?」
が、気付く間もなく脇を通り、シーバリウは背後へと歩いていた。
「僕は、もうすぐここからいなくなるんです。だから」
「だからって!!」
こっち見てよ!
こっち向いてよ!
「……今は、石人の件に集中しましょう、紫恋さん」
そう言い残して、シーバリウは中へと入ってしまう。
「…………」
なんで……。
なんで……なんで、私、泣いてるの……?