「JCTHUも呼んじゃったんですか!? 二股ですかぁ!?」
「え、えーっと、あなたは……」
と言いながら、その姿をシーバリウは正視できないでいた。
背は180を超える長身、それを際だたせる両手の親指と人差し指が届きそうな程細いウェスト、ほんの少し膨らんでいる両胸、そのおそらくは何も身に着けていないであろう肉体を、包帯のように巻き付けている緑色の帯。
帯の間を縫って金色に逆立つ髪、そして黒い白眼と白い黒眼のみが露わになっていた。
「――取り乱してすみませんでした。HACから派遣されましたイヴァンディと申します」
口元も帯で覆われているため声は曇っているが、それでも明瞭に聞き取れる声だった。
「確認お願いします」
逆立つ髪の中に手を突っ込み、中からIDカードを取り出してジャージに見せる。
ジャージの視界に「認証」の文字が表示される。
『確認した……けど、所属は?』
「所属? いえ、HACにはこういう件に対処する専門の部署はありません。私はコンペティションで選ばれたのでこちらに参りました」
「すみませんが……お一人ですか?」
「なんですよねー。私フリーですし、本当はもう少し欲しいんですけど、そういう指示ですので私ひとりでなんとかしなきゃいけないみたいです」
「…………」
「でも、そんな心配はいらないみたい」
イヴァンディはゆっくりと石人へと近づいていく。途中、シーバリウを、ワース越しのジャージを、ジャージの前のコンソールを、石人を囲む機材を、白と黒が逆の瞳で視ていきながら。
『心配いらない?』
「だって、JCTHUが来るんならHACとしては引かざるを得ませんから」
「そんな、助けてもらえないんですか?」
「理論的に考えてそうでしょう」
緑の帯に包まれた、か細い指先で黒い石人を撫でる。
「JCTHUは対HAC部隊です。私と共同作業をして頂けるはずありませんから」
「なら、JCTHUの方をキャンセルしますから」
『え”』
シーバリウにとっては、HACの方が信頼に足る組織だった。
「それは無理でしょう。JCTHUはこれを罪人と認識したのですから。犯罪者がいると分かっていて放っておく警察はいないでしょう」
「あ……」
「え、えーっと、あなたは……」
と言いながら、その姿をシーバリウは正視できないでいた。
背は180を超える長身、それを際だたせる両手の親指と人差し指が届きそうな程細いウェスト、ほんの少し膨らんでいる両胸、そのおそらくは何も身に着けていないであろう肉体を、包帯のように巻き付けている緑色の帯。
帯の間を縫って金色に逆立つ髪、そして黒い白眼と白い黒眼のみが露わになっていた。
「――取り乱してすみませんでした。HACから派遣されましたイヴァンディと申します」
口元も帯で覆われているため声は曇っているが、それでも明瞭に聞き取れる声だった。
「確認お願いします」
逆立つ髪の中に手を突っ込み、中からIDカードを取り出してジャージに見せる。
ジャージの視界に「認証」の文字が表示される。
『確認した……けど、所属は?』
「所属? いえ、HACにはこういう件に対処する専門の部署はありません。私はコンペティションで選ばれたのでこちらに参りました」
「すみませんが……お一人ですか?」
「なんですよねー。私フリーですし、本当はもう少し欲しいんですけど、そういう指示ですので私ひとりでなんとかしなきゃいけないみたいです」
「…………」
「でも、そんな心配はいらないみたい」
イヴァンディはゆっくりと石人へと近づいていく。途中、シーバリウを、ワース越しのジャージを、ジャージの前のコンソールを、石人を囲む機材を、白と黒が逆の瞳で視ていきながら。
『心配いらない?』
「だって、JCTHUが来るんならHACとしては引かざるを得ませんから」
「そんな、助けてもらえないんですか?」
「理論的に考えてそうでしょう」
緑の帯に包まれた、か細い指先で黒い石人を撫でる。
「JCTHUは対HAC部隊です。私と共同作業をして頂けるはずありませんから」
「なら、JCTHUの方をキャンセルしますから」
『え”』
シーバリウにとっては、HACの方が信頼に足る組織だった。
「それは無理でしょう。JCTHUはこれを罪人と認識したのですから。犯罪者がいると分かっていて放っておく警察はいないでしょう」
「あ……」