「舞ーっ!!」
廊下を走ってくる奨を見て、舞は苦笑いをした。
「お前の兄貴か?」
「……その穂香って人、読心術も使えるの?」
「いや、お前のお母さんに聞いたんだよ」
「え、母さん……?」
そんな会話をしているうちに、奨はがたがたになった廊下を走り抜けて、二人の所までたどり着いていた。
「舞、大丈夫だったか? なんともなかったか? 何があったんだ? こいつなにもんだ?」
「いきなりこいつ呼ばわりかよ」
「しょうがないでしょ、そんな身なりなんだから。お兄ちゃん、この人が私を助けてくれたの」
「あ、それは失礼……ですけど、どなたさまで」
「朴雅樹だ。んで見えないだろうけど、彼女が柊穂香、俺のパートナーだ」
「また言ってるし」
「普通は紹介するだろ?」
「本当にいるかどうかも判らないもん」
「なっ何言ってるんだそりゃ見えないだろうけど俺にはちゃんと見えるし」
奨は唐突に始まった目の前のケンカに動揺しまくっていた。この雅樹という男がどういう人間なのか分からなければその紹介した穂香という女性がどこにいるかも分からないし第一この男と結構親しそうにケンカをする舞が信じられなかった。
「あら、朴さん」
「あ、結白さん」
がたがたの廊下を歩いてくる美咲は声を掛け、それに雅樹は答えた。その場にいた舞と奨、それに美咲の後ろを付いてくる正はこれまたきょとんとするしかなかった。
「母さんを知っているの?」
「俺はお前のお母さんに呼ばれてここに来たんだ」
美咲は雅樹の隣に立ち、まるで初対面の相手にするみたいに紹介した。
「この方は朴雅樹さん。朱き泉の洗礼を受けた、私達の頼もしい味方よ」
この人が朱き泉の洗礼を受けた青年……二人は唐突に言われて信じられなくても、舞にはイヤというほど解った。なぜ、この青年がとてつもない強さを持っているのかも。
そして、この青年が次に何を言うのかも。
「結白さん、穂香も紹介してくださいよ」
「あ、そそうだったわね。え〜とね、雅樹さんには、見えないでしょうけど女神様が一緒にいるそうで、それが穂香さんって言うんでしたよね?」
「そう」
「そう、そういうことなの。解った?」
例によって男二人はぽかんとしているが、舞はもうイヤダと言わんばかりの顔つきだった。
廊下を走ってくる奨を見て、舞は苦笑いをした。
「お前の兄貴か?」
「……その穂香って人、読心術も使えるの?」
「いや、お前のお母さんに聞いたんだよ」
「え、母さん……?」
そんな会話をしているうちに、奨はがたがたになった廊下を走り抜けて、二人の所までたどり着いていた。
「舞、大丈夫だったか? なんともなかったか? 何があったんだ? こいつなにもんだ?」
「いきなりこいつ呼ばわりかよ」
「しょうがないでしょ、そんな身なりなんだから。お兄ちゃん、この人が私を助けてくれたの」
「あ、それは失礼……ですけど、どなたさまで」
「朴雅樹だ。んで見えないだろうけど、彼女が柊穂香、俺のパートナーだ」
「また言ってるし」
「普通は紹介するだろ?」
「本当にいるかどうかも判らないもん」
「なっ何言ってるんだそりゃ見えないだろうけど俺にはちゃんと見えるし」
奨は唐突に始まった目の前のケンカに動揺しまくっていた。この雅樹という男がどういう人間なのか分からなければその紹介した穂香という女性がどこにいるかも分からないし第一この男と結構親しそうにケンカをする舞が信じられなかった。
「あら、朴さん」
「あ、結白さん」
がたがたの廊下を歩いてくる美咲は声を掛け、それに雅樹は答えた。その場にいた舞と奨、それに美咲の後ろを付いてくる正はこれまたきょとんとするしかなかった。
「母さんを知っているの?」
「俺はお前のお母さんに呼ばれてここに来たんだ」
美咲は雅樹の隣に立ち、まるで初対面の相手にするみたいに紹介した。
「この方は朴雅樹さん。朱き泉の洗礼を受けた、私達の頼もしい味方よ」
この人が朱き泉の洗礼を受けた青年……二人は唐突に言われて信じられなくても、舞にはイヤというほど解った。なぜ、この青年がとてつもない強さを持っているのかも。
そして、この青年が次に何を言うのかも。
「結白さん、穂香も紹介してくださいよ」
「あ、そそうだったわね。え〜とね、雅樹さんには、見えないでしょうけど女神様が一緒にいるそうで、それが穂香さんって言うんでしたよね?」
「そう」
「そう、そういうことなの。解った?」
例によって男二人はぽかんとしているが、舞はもうイヤダと言わんばかりの顔つきだった。