「つまり、穂香は幽霊みたいな存在なんだ。どの場所のどんなもんでも見えるし、どんな人間のどんな会話も聞こえる。何でもな、赤外線とかエックス線とか、そういうもの見えるんだとよ」
そう解説しながらいちいち確認を取る雅樹と、驚きながらも真剣に話を聞くリシュネが舞にはかわいく見えた。
「でだ、そんなんだととにかく情報がどんどん入ってくるわけだ。そこで、情報にフィルターを掛ける。言ってみれば、締め切った部屋の中に窓を作るようなもんだ……よな?」
「だから、この前のヘリコプターにも気付いた……」
「そういうこと。俺はこのリシュネのバックアップ能力のおかげで、思う存分戦えるってこった」
舞は、それは雅樹の謙遜だと感じた。たとえ的確な情報を得られたとしても、それを冷静に行動へと移せる雅樹の能力は相当なものだ。
「その穂香とは、いつどこで出逢ったんですか?」
まだ自分も知らない情報を得られるかと舞ははっとするが、雅樹は笑むだけだった。
「今回はここまで。今度はそっちの情報を知りたいな」
「……私も知りたいな、穂香さんのこと……」
「えっ……」
ぼそりと呟いたその言葉に、雅樹は動揺を隠せなかった。
「……正直、まだ話す気、ないわ。すまん」
その言葉を聞いたあと、一回、ゆっくりと首を振った。
「ううん、いいの。じゃ、リシュネ、話訊かせてもらえる?」
「え、あ、はい……」
このふたりのやりとりを見てリシュネは、どういう関係なのだろうと考えていた。そして、話しづらい穂香の存在とは……。
「んじゃま、やっぱあの洋一って男の本当の目的、それからだな」
「そうね、なんか私達踊らされてるみたいでいい気しないもん」
「それは私も同じ……別にイヤじゃないけど」
窓から冷たい風が吹き込み、空気を冷やす。
「私達――AP、洋一、先生、スタッフのみんなは、天地生物科学工業という会社にいたの。その会社があの怪物を作ってる。雅樹を襲った辻って男も、その会社の人」
「なんだ、その会社は」
「来年の春に降り立つ闇は知ってるでしょ? あれを倒す、そういう口実でLWを世間に認めさせる、そういう計画だった」
「認めるって……」
「兵器として」
ふたりは、顔を見合わせた。
「とんでもない一大イベント。この機会に日本を、これまでの概念を覆すような兵器を配備した軍事大国にする、それがこの計画の発端だったの……」
そう解説しながらいちいち確認を取る雅樹と、驚きながらも真剣に話を聞くリシュネが舞にはかわいく見えた。
「でだ、そんなんだととにかく情報がどんどん入ってくるわけだ。そこで、情報にフィルターを掛ける。言ってみれば、締め切った部屋の中に窓を作るようなもんだ……よな?」
「だから、この前のヘリコプターにも気付いた……」
「そういうこと。俺はこのリシュネのバックアップ能力のおかげで、思う存分戦えるってこった」
舞は、それは雅樹の謙遜だと感じた。たとえ的確な情報を得られたとしても、それを冷静に行動へと移せる雅樹の能力は相当なものだ。
「その穂香とは、いつどこで出逢ったんですか?」
まだ自分も知らない情報を得られるかと舞ははっとするが、雅樹は笑むだけだった。
「今回はここまで。今度はそっちの情報を知りたいな」
「……私も知りたいな、穂香さんのこと……」
「えっ……」
ぼそりと呟いたその言葉に、雅樹は動揺を隠せなかった。
「……正直、まだ話す気、ないわ。すまん」
その言葉を聞いたあと、一回、ゆっくりと首を振った。
「ううん、いいの。じゃ、リシュネ、話訊かせてもらえる?」
「え、あ、はい……」
このふたりのやりとりを見てリシュネは、どういう関係なのだろうと考えていた。そして、話しづらい穂香の存在とは……。
「んじゃま、やっぱあの洋一って男の本当の目的、それからだな」
「そうね、なんか私達踊らされてるみたいでいい気しないもん」
「それは私も同じ……別にイヤじゃないけど」
窓から冷たい風が吹き込み、空気を冷やす。
「私達――AP、洋一、先生、スタッフのみんなは、天地生物科学工業という会社にいたの。その会社があの怪物を作ってる。雅樹を襲った辻って男も、その会社の人」
「なんだ、その会社は」
「来年の春に降り立つ闇は知ってるでしょ? あれを倒す、そういう口実でLWを世間に認めさせる、そういう計画だった」
「認めるって……」
「兵器として」
ふたりは、顔を見合わせた。
「とんでもない一大イベント。この機会に日本を、これまでの概念を覆すような兵器を配備した軍事大国にする、それがこの計画の発端だったの……」