「どーした? 赤葉」
「白葉様が、飲み物を持って行って、ついでに結果を訊いてきなさいって」
赤葉と呼ばれた女性は金属製の水筒を差し出す。背は百五十ほど、長い黒髪が風になびく。
「で、あんたたちなにやってたの?」
「そうだ穂香、こいつと駆け落ちしてくんねぇか」
「はぁ!?」
「おいっ!!」
大声で聞き返す穂香に戸惑う鷹人。穂香と呼ばれた女性は短髪を掻き上げて雅樹を睨む。視点は雅樹よりわずかに低い。そこから目を逸らして雅樹は続ける。
「おまえら二人をここに置いとくのは忍びないんだよ。ここだっていつどうなるかわかったもんじゃねぇし」
「だからこそ、私は残るべきだと考えている」
「べきとかいーじゃん、自分の事考えろよ」
「赤葉の気持ちはどーすんの」
睨む視線を赤葉へと向ける。赤葉は苦笑いして。
「あ、うーん……」
「……」
白葉様の実の孫、能力的にも悪くない。
ただ。
「……別に、自分で望むんなら、構わねぇよ」
と言って、鷹人を見る。
「俺は、この里の役に立ちたい」
「私も」
鷹人と穂香が二人並んで、言う。
「赤葉は、どう思う?」
「……お婆ちゃんが選んでくれなかったのは、正直ちょっと悲しかった。私も、この里は護りたいって思うから。でもそれは」
ぴとと雅樹に寄り添う。
「雅樹も同じ、でしょ?」
顔を赤らめて、雅樹は頬を掻く。
「なんだ、じゃあいいんじゃん」
と言って穂香が手を差し出す。
「そうだな」
鷹人も手を差し出す。
そして、赤葉と雅樹が握り替えした。
「白葉様が、飲み物を持って行って、ついでに結果を訊いてきなさいって」
赤葉と呼ばれた女性は金属製の水筒を差し出す。背は百五十ほど、長い黒髪が風になびく。
「で、あんたたちなにやってたの?」
「そうだ穂香、こいつと駆け落ちしてくんねぇか」
「はぁ!?」
「おいっ!!」
大声で聞き返す穂香に戸惑う鷹人。穂香と呼ばれた女性は短髪を掻き上げて雅樹を睨む。視点は雅樹よりわずかに低い。そこから目を逸らして雅樹は続ける。
「おまえら二人をここに置いとくのは忍びないんだよ。ここだっていつどうなるかわかったもんじゃねぇし」
「だからこそ、私は残るべきだと考えている」
「べきとかいーじゃん、自分の事考えろよ」
「赤葉の気持ちはどーすんの」
睨む視線を赤葉へと向ける。赤葉は苦笑いして。
「あ、うーん……」
「……」
白葉様の実の孫、能力的にも悪くない。
ただ。
「……別に、自分で望むんなら、構わねぇよ」
と言って、鷹人を見る。
「俺は、この里の役に立ちたい」
「私も」
鷹人と穂香が二人並んで、言う。
「赤葉は、どう思う?」
「……お婆ちゃんが選んでくれなかったのは、正直ちょっと悲しかった。私も、この里は護りたいって思うから。でもそれは」
ぴとと雅樹に寄り添う。
「雅樹も同じ、でしょ?」
顔を赤らめて、雅樹は頬を掻く。
「なんだ、じゃあいいんじゃん」
と言って穂香が手を差し出す。
「そうだな」
鷹人も手を差し出す。
そして、赤葉と雅樹が握り替えした。