「……雅樹、おまえは矛盾している」
「!?」
再び雅樹を見つめて、鷹人は語り始める。
「おまえ、しんがりを努めるつもりだろう」
「ああ」
「死ぬ気か?」
「……いんや、赤葉がいるんだ、死ぬ気なんかさらさらないよ」
「相変わらず、赤葉は嘘が下手だな……」
目を伏せる赤葉に、鷹人は優しい目を向ける。
「……」
「死ぬ気のおまえ達ふたりの方が、ここにこだわってるように見えるな」
「鷹人」
一歩前に出て、穂香が鷹人の目を見る。決意した瞳。
「俺達はここで生まれて、ここで育った。下界なんて数えるほどしか降りてない。結局は、ここを離れて生きるなんてこと、できっこないんだ」
「できなくなんて」
「自分達にできないことを押し付けるな!」
鷹人は声を荒げて雅樹を諫める。
「ふん、決まったな」
白葉は喉元の刃を押しのけ、気の抜けた雅樹はそれを許す。
が。
「赤葉、まだ拘束してて」
「なに?」
「えっ、うん」
穂香の言葉に呼応して、赤葉は手をかざし炎で白葉の道を遮る。
「どういうことだ」
「案は私が決める。まず村人全員に意見を聞き、希望者のみ残ってもらう」
「それでは人数が足りないと」
「士気が低いと意味がない。下で待ち伏せるには迅速な展開が必要だ、嫌々やってもらっては困る。鷹人もいい?」
「ああ、もちろんだ」
鷹人は納得ずくでうなずいた。
「駄目だ」
「白葉様にはここで隠居してもらう」
「なんだと!?」
目を剥く白葉に、鷹人は淡々と言った。そして、穂香に確認を取る。
「それでいいんだろ?」
「ええ」
穂香もうなずいた。
「!?」
再び雅樹を見つめて、鷹人は語り始める。
「おまえ、しんがりを努めるつもりだろう」
「ああ」
「死ぬ気か?」
「……いんや、赤葉がいるんだ、死ぬ気なんかさらさらないよ」
「相変わらず、赤葉は嘘が下手だな……」
目を伏せる赤葉に、鷹人は優しい目を向ける。
「……」
「死ぬ気のおまえ達ふたりの方が、ここにこだわってるように見えるな」
「鷹人」
一歩前に出て、穂香が鷹人の目を見る。決意した瞳。
「俺達はここで生まれて、ここで育った。下界なんて数えるほどしか降りてない。結局は、ここを離れて生きるなんてこと、できっこないんだ」
「できなくなんて」
「自分達にできないことを押し付けるな!」
鷹人は声を荒げて雅樹を諫める。
「ふん、決まったな」
白葉は喉元の刃を押しのけ、気の抜けた雅樹はそれを許す。
が。
「赤葉、まだ拘束してて」
「なに?」
「えっ、うん」
穂香の言葉に呼応して、赤葉は手をかざし炎で白葉の道を遮る。
「どういうことだ」
「案は私が決める。まず村人全員に意見を聞き、希望者のみ残ってもらう」
「それでは人数が足りないと」
「士気が低いと意味がない。下で待ち伏せるには迅速な展開が必要だ、嫌々やってもらっては困る。鷹人もいい?」
「ああ、もちろんだ」
鷹人は納得ずくでうなずいた。
「駄目だ」
「白葉様にはここで隠居してもらう」
「なんだと!?」
目を剥く白葉に、鷹人は淡々と言った。そして、穂香に確認を取る。
「それでいいんだろ?」
「ええ」
穂香もうなずいた。