川崎幸治は、限りなく戸惑っていた。
自分を含む、直援のための精鋭部隊四十八名が、本部を離れてこのような山奥にいる。
本土決戦を間近に控えて最後の盾となるべく日々研鑽に努めてきた。武装も最新の物が与えられている。国軍のエリートとしての自負がある。
なのに。
『某村を制圧せよ』
意味の全く判らない命令が下されて、目的も判らないまま夜道を歩き続けている。
鬱蒼と茂る木々が、星々を隠している。ランプの明かりだけを頼りにおうとつの激しい山道をただひたすら進んでいる。
こんな山奥に何があるというのだ!?
声に出すことはないから、周りの者もきっと同じ事を考えている、そう想像した。
と。
明かりが強くなった。
道が平坦になり、空を見上げると月が見えた。
「全体、止まれ!!」
指揮官の指示に従い、歩兵部隊として列をなしていく。
「しばし休息を取る。ここから目標まで一時間で到着する。明け方にここをたち、奇襲を掛ける」
そう言ってから、指揮官は全員の表情を見る。
「……今回の目的については、我々にも知らされていない。ただ、村を制圧しろ、とだけ命令されている。何人かの捕虜は必要となるであろう。だが!」
指揮官は銃を地面に打ち付けた。
「我々は精鋭である! 本部隊がこの作戦に抜擢された意味を理解するべきである!」
それだけ重要な作戦であり、強固な拠点でもある。
ただの村が?
「でも、ちょっと数が足りないかな」
自分を含む、直援のための精鋭部隊四十八名が、本部を離れてこのような山奥にいる。
本土決戦を間近に控えて最後の盾となるべく日々研鑽に努めてきた。武装も最新の物が与えられている。国軍のエリートとしての自負がある。
なのに。
『某村を制圧せよ』
意味の全く判らない命令が下されて、目的も判らないまま夜道を歩き続けている。
鬱蒼と茂る木々が、星々を隠している。ランプの明かりだけを頼りにおうとつの激しい山道をただひたすら進んでいる。
こんな山奥に何があるというのだ!?
声に出すことはないから、周りの者もきっと同じ事を考えている、そう想像した。
と。
明かりが強くなった。
道が平坦になり、空を見上げると月が見えた。
「全体、止まれ!!」
指揮官の指示に従い、歩兵部隊として列をなしていく。
「しばし休息を取る。ここから目標まで一時間で到着する。明け方にここをたち、奇襲を掛ける」
そう言ってから、指揮官は全員の表情を見る。
「……今回の目的については、我々にも知らされていない。ただ、村を制圧しろ、とだけ命令されている。何人かの捕虜は必要となるであろう。だが!」
指揮官は銃を地面に打ち付けた。
「我々は精鋭である! 本部隊がこの作戦に抜擢された意味を理解するべきである!」
それだけ重要な作戦であり、強固な拠点でもある。
ただの村が?
「でも、ちょっと数が足りないかな」