緑色の円柱。
鎖に継ながれた全裸の行雄を、無感傷な表情で青年は見上げる。
「全快にはまだ時間が掛かりそうだな」
石和はファイルをめくり、数値を舐めていく。最初の数値の半分を下回る項目が多数を占めていた。
「一日、保たないとどうしようもないな」
「ヘリで上空まで輸送、というのはどうでしょう」
「敵は飛び道具を持っているんだ。あの水や炎、直撃したらアパッチでも墜ちる」
「そこまでなのか……」
石和は、直接舞と雅樹を見ていない。だから、その凄さは想像できない。
「でも途中までというのは問題ないな。こちらには詳細な地図がある」
「あとは回復を待てば、というわけですな」
「待つ必要なんかない。作った方が早いだろ?」
石和は、向けられる青年の視線を、喉元に刃を突きつけられるように感じた。
死ぬ。
「私が……ですか」
「私も、だよ」
「え?」
おずおずと、見上げるように青年を見た。青年の視線は、行雄に注がれている。
行雄の持つ、力に。
「実験は終わった。あの情報は正確なものだということが判明したんだ。だから、使わせてもらう」
洋一の顔が浮かぶ。
その顔を握りつぶすように、拳を握りしめる。
「不本意、ではあるが、殺せるなら、構わないさ」
鎖に継ながれた全裸の行雄を、無感傷な表情で青年は見上げる。
「全快にはまだ時間が掛かりそうだな」
石和はファイルをめくり、数値を舐めていく。最初の数値の半分を下回る項目が多数を占めていた。
「一日、保たないとどうしようもないな」
「ヘリで上空まで輸送、というのはどうでしょう」
「敵は飛び道具を持っているんだ。あの水や炎、直撃したらアパッチでも墜ちる」
「そこまでなのか……」
石和は、直接舞と雅樹を見ていない。だから、その凄さは想像できない。
「でも途中までというのは問題ないな。こちらには詳細な地図がある」
「あとは回復を待てば、というわけですな」
「待つ必要なんかない。作った方が早いだろ?」
石和は、向けられる青年の視線を、喉元に刃を突きつけられるように感じた。
死ぬ。
「私が……ですか」
「私も、だよ」
「え?」
おずおずと、見上げるように青年を見た。青年の視線は、行雄に注がれている。
行雄の持つ、力に。
「実験は終わった。あの情報は正確なものだということが判明したんだ。だから、使わせてもらう」
洋一の顔が浮かぶ。
その顔を握りつぶすように、拳を握りしめる。
「不本意、ではあるが、殺せるなら、構わないさ」