「赤葉、今の言葉撤回しろ」
その言葉に、赤葉の細い手は、びく、と震えた。雅樹の、炎のような瞳が、赤葉を貫く。そこから思わず目を逸らして、つぶやく。
「……悪かった」
「……〜〜〜〜」
頭を掻きむしって、地面にへたる。赤葉の言う言葉に、間違いはない。たとえそれが「それは、本当に穂香の言った言葉なのか?」という、侮辱にも似た言葉だとしても。
「気持ちはわかるけどよ……俺達は、リシュネとは結構それなりに一緒にいたんだ、怪我して病院にいるときも熱心に看病してくれた、だから、信頼できると思ってる」
「わかっているよ」
リシュネでも舞でも、穂香でもなく、まず、目の前の男を信じないでどうする。
「私も慣れるつもりだ。……だが、私はおまえ達のように強くはない」
「ん?」
赤葉は手を広げる。
「手で針のむしろをまさぐるようだ。この村、この朱き泉にAPとかいう異物、耐えるのは苦痛だ……」
「赤葉……」
「私も、雅樹や穂香のように強ければ……」
弱いということは、傷つけてしまうということ。
守りきれないのならば、先に、という焦り。
自らの、か細い、情けない両手を見つめた。
その両手に影が落ちる。
「え……」
雅樹は、赤葉を強く抱きしめていた。
「赤葉は俺達を強くしてくれる、だから俺達は赤葉と共にここを守れる、それでいいか?」
雅樹の顔を見上げてから、両腕を背中に回した。
「……ふふ、こんなお婆さんを抱いて、穂香が妬くんじゃない?」
「穂香も、赤葉を抱きしめているよ」
「うん、そう思った……」
その言葉に、赤葉の細い手は、びく、と震えた。雅樹の、炎のような瞳が、赤葉を貫く。そこから思わず目を逸らして、つぶやく。
「……悪かった」
「……〜〜〜〜」
頭を掻きむしって、地面にへたる。赤葉の言う言葉に、間違いはない。たとえそれが「それは、本当に穂香の言った言葉なのか?」という、侮辱にも似た言葉だとしても。
「気持ちはわかるけどよ……俺達は、リシュネとは結構それなりに一緒にいたんだ、怪我して病院にいるときも熱心に看病してくれた、だから、信頼できると思ってる」
「わかっているよ」
リシュネでも舞でも、穂香でもなく、まず、目の前の男を信じないでどうする。
「私も慣れるつもりだ。……だが、私はおまえ達のように強くはない」
「ん?」
赤葉は手を広げる。
「手で針のむしろをまさぐるようだ。この村、この朱き泉にAPとかいう異物、耐えるのは苦痛だ……」
「赤葉……」
「私も、雅樹や穂香のように強ければ……」
弱いということは、傷つけてしまうということ。
守りきれないのならば、先に、という焦り。
自らの、か細い、情けない両手を見つめた。
その両手に影が落ちる。
「え……」
雅樹は、赤葉を強く抱きしめていた。
「赤葉は俺達を強くしてくれる、だから俺達は赤葉と共にここを守れる、それでいいか?」
雅樹の顔を見上げてから、両腕を背中に回した。
「……ふふ、こんなお婆さんを抱いて、穂香が妬くんじゃない?」
「穂香も、赤葉を抱きしめているよ」
「うん、そう思った……」