空を包む星々。澄んだ夜空を、リシュネは見上げていた。
碧き泉、その月夜を、心に刻みつけるように。
「行くのか?」
闇の中から現れる雅樹。その隣には、眠そうな舞。
「……ホントに行くんだ」
リシュネの背には、来た時と同じバッグ。
「うん……本当は、12時間だから」
24時間ではなく、12時間。村についてから、とうに過ぎている時間。
「……じゃあ、またねっ」
満面の笑みを見せて、舞に背を向ける。
その背中から、舞は抱きしめた。
「ま、舞……?」
「お願いだから……お願いだから、そんな笑顔、憶えないでよ……」
舞の頬を涙が伝う。
「舞……」
リシュネの顔。笑みはなく、辛く、でもそれは、乾いた大地に水を注ぐように、涙がこぼれていく。
強く風が、舞った。
頭上を強い光が照りつける。巨大なヘリが現れ、ホバリングしていた。
「……じゃ、またね」
柔らかい笑みを見せてから、リシュネは地を蹴り空を蹴ってヘリのドアに張り付く。無理矢理中に入ると、ヘリは急いでその場を飛び去る。
「……9月、絶対に行くから!!!」
聞こえるはずのない轟音の中で、舞は強く叫んだ。
きっと聞こえると信じて。
「……満足、か?」
その雅樹の言葉は、赤葉に掛けられたもの。
赤葉は笑みを浮かべて頷いた。
「まだ、全て信じたわけではない。でも……」
でも、信じたい、そう思った。
碧き泉、その月夜を、心に刻みつけるように。
「行くのか?」
闇の中から現れる雅樹。その隣には、眠そうな舞。
「……ホントに行くんだ」
リシュネの背には、来た時と同じバッグ。
「うん……本当は、12時間だから」
24時間ではなく、12時間。村についてから、とうに過ぎている時間。
「……じゃあ、またねっ」
満面の笑みを見せて、舞に背を向ける。
その背中から、舞は抱きしめた。
「ま、舞……?」
「お願いだから……お願いだから、そんな笑顔、憶えないでよ……」
舞の頬を涙が伝う。
「舞……」
リシュネの顔。笑みはなく、辛く、でもそれは、乾いた大地に水を注ぐように、涙がこぼれていく。
強く風が、舞った。
頭上を強い光が照りつける。巨大なヘリが現れ、ホバリングしていた。
「……じゃ、またね」
柔らかい笑みを見せてから、リシュネは地を蹴り空を蹴ってヘリのドアに張り付く。無理矢理中に入ると、ヘリは急いでその場を飛び去る。
「……9月、絶対に行くから!!!」
聞こえるはずのない轟音の中で、舞は強く叫んだ。
きっと聞こえると信じて。
「……満足、か?」
その雅樹の言葉は、赤葉に掛けられたもの。
赤葉は笑みを浮かべて頷いた。
「まだ、全て信じたわけではない。でも……」
でも、信じたい、そう思った。