「彼の方は、舞のお母さんも行くって言ってる」
「そ、か。どうする?」
地面に座る雅樹が赤葉を見上げる。
「村全員行くわけにはいかないだろう」
「そりゃそうだ」
そうとはいえ、また「あのとき」と同じようになるのでは、という危惧。
「おそらく、だけど、あいつは泉を狙っていたわけじゃないと思う。俺と舞がここにいるからここに来た、なら俺が離れればここはむしろ安全かもしれない」
「そうだな」
でも、雅樹がいる、それがどれほど心強いか、側にいない、それがどれほど心細いことか。
「主観でいいんだけど」
と、唐突にリシュネが訊く。
「ここに来た男、どのくらい強かった?」
「正直、敵じゃない。でも」
「数の問題?」
雅樹は頷く。
「大量生産されてたらやばいな、ってレベルだ」
「なら、大丈夫。泉ひとつなら監視できるから」
「そか」
雅樹は立ち上がり、袋を背負う。
「じゃあ行ってくる。赤葉様、くれぐれも」
「わかっている。……残された者の苦しみは、人一倍知っているつもりだ」
「……」
雅樹はおもむろに赤葉の頭を撫でた。
「!? な……」
「俺達は、いつでもおまえのことを見ている。絶対に、見捨てたりしないからな」
「!! ……」
赤葉は、唇を噛みしめて、涙を堪えた。
「そ、か。どうする?」
地面に座る雅樹が赤葉を見上げる。
「村全員行くわけにはいかないだろう」
「そりゃそうだ」
そうとはいえ、また「あのとき」と同じようになるのでは、という危惧。
「おそらく、だけど、あいつは泉を狙っていたわけじゃないと思う。俺と舞がここにいるからここに来た、なら俺が離れればここはむしろ安全かもしれない」
「そうだな」
でも、雅樹がいる、それがどれほど心強いか、側にいない、それがどれほど心細いことか。
「主観でいいんだけど」
と、唐突にリシュネが訊く。
「ここに来た男、どのくらい強かった?」
「正直、敵じゃない。でも」
「数の問題?」
雅樹は頷く。
「大量生産されてたらやばいな、ってレベルだ」
「なら、大丈夫。泉ひとつなら監視できるから」
「そか」
雅樹は立ち上がり、袋を背負う。
「じゃあ行ってくる。赤葉様、くれぐれも」
「わかっている。……残された者の苦しみは、人一倍知っているつもりだ」
「……」
雅樹はおもむろに赤葉の頭を撫でた。
「!? な……」
「俺達は、いつでもおまえのことを見ている。絶対に、見捨てたりしないからな」
「!! ……」
赤葉は、唇を噛みしめて、涙を堪えた。